◆女子プロゴルフツアー メジャー初戦 ワールドレディスサロンパスカップ プロアマ戦(1日、茨城GC東C=6665ヤード、パー72、報知新聞社後援)

 女子プロゴルフツアーの今季メジャー初戦、ワールドレディスサロンパスカップは2日から4日間、茨城・茨城GC東C(6665ヤード、パー72)で行われる。1日は出場選手がプロアマ戦などで最終調整。大詰めの今夏パリ五輪代表争いの場ともなる大会で、通算8勝の米ツアー3年目・古江彩佳(23)=富士通=が、自身初となる五輪出場への足がかりにする決意を示した。

 パリ五輪の女子の日本代表枠は現状「2」だ。古江は今大会でライバルたちとの激しい代表争いに挑む。

 4月29日時点の世界ランクで五輪代表圏内の日本勢2番手の23位。獲得ポイントの大きい国内のメジャーは稼ぎ時だ。今大会でつばぜり合いの相手になるのが、28位の4番手で2年連続年間女王の山下美夢有(みゆう、22)=加賀電子=になる。しかも山下とは予選2日間で同組。「ライバルより上にいくことで差もついていく」と“直接対決”に闘志をたぎらせた。

 今季初の日本ツアーだ。当然、ビッグタイトル獲得にも燃える。帰国は4月30日の午前5時頃。そのままコースへ向かい、18ホールの練習ラウンドに臨み、この日は雨の中でプロアマ戦を回った。時差ボケや疲労の色も見せず、ラウンド中は笑顔。「楽しみながら自分のゴルフができるように集中して、優勝を目指したいので」と説明した。

 21年東京五輪の代表争いは畑岡奈紗が1番手で代表入り。残る1枠の争いで古江は2番手につけていたが、直前で稲見萌寧に逆転されて落選。世界ランクで稲見が27位で古江が29位と僅差(きんさ)だった。その稲見は日本人初の銀メダル。悔し涙を流しただけに、五輪への思いは人一倍強い。古江は「本当に出たいと思っている。優勝すればジャンプアップもできる。(代表決定の)6月(24日)までに優勝を1つでもしたい」と意気込んだ。

 主戦場の米ツアーでは今季全10試合に出場。3位が最高で4度のトップ10入りをし、米ツアーのポイントランクも日本人最上位の6位。「パターで苦しんでいる」と言うが「ストロークができていなかったりするので、しっかり打っていきたい」と恐れはない。

 サロンパスカップは21年以来の出場でコースは前回と同じ東Cだ。「今年もハヤカタ(速くて硬い)グリーンかなと思う。マネジメントを使ってパーセーブしていきたい」と古江。花の都パリにグッと近づく大会にしてみせる。

(富張 萌黄)

 ◆女子ゴルフのパリ五輪への道 6月24日時点の世界ランクを基準に算定する五輪ポイント上位60人が出場権を得る。〈1〉同ランク15位以内は各国・地域で最大4人〈2〉16位以下は〈1〉の有資格者を含めて最大2人が出られる。大会は8月7日から4日間、フランス「ル・ゴルフナショナル」で72ホールストロークプレーの個人戦で争う。21年東京五輪は畑岡奈紗と稲見萌寧が出場し、稲見が日本初のメダル獲得となる銀、畑岡が9位だった。

 ◆古江 彩佳(ふるえ・あやか)2000年5月27日、神戸市生まれ。23歳。兵庫・滝川二高を卒業後、19年10月の富士通レディースでツアー7人目のアマチュア優勝を果たしてプロ転向。日本ツアー通算8勝。20―21年統合シーズンの賞金ランク2位。米ツアーでは本格参戦1年目の22年7月スコットランド・オープンで1勝。憧れは歌手の浜崎あゆみ。153センチ、54キロ。家族は両親。