◆JERA セ・リーグ 巨人0―4ヤクルト(1日・東京ドーム)

 巨人がヤクルトに今季初の同一カード3連敗を喫し、勝率5割に逆戻りした。先発の赤星優志投手(24)が初回にオスナに3ランを浴びるなど5回4失点で、勝ち星なしの3敗目。打線は7安打を放ちながら決定打を欠き、今季4度目の完封負けを許した。9連戦は4勝5敗で負け越し。悔しい敗戦の中で光が差したのは、3年目の京本真投手(20)だ。21年育成ドラフト7位から今年支配下登録をつかんだ右腕が2番手でプロ初登板。1回無失点の完全デビューを飾った。

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 京本は常に上を向いて走ってきた。「ここを目指してやってきているわけではない。1軍で活躍するのが目標なので」。強い気持ちが何よりの武器だ。

 そんな男が弱気になった時があった。高卒2年目の昨季、同期の代木が開幕1軍を勝ち取り、1軍で投げる姿を見て焦りを感じた。「自分は3軍で背番号も3ケタ。このままやったらクビになる」。そんな時に支えてくれたのは師匠と慕う大勢だった。「大勢さんはWBCでアメリカに行っている時も僕に連絡をくれた。『やることやっとけ!』っていつも言われました」

 中でも心に刺さったのが「人生はトータル」という考え方だった。「野球が終わった時にどうか。1、2年の結果が良いよりも長く活躍して終わった後にいろんな人に拍手される選手が一番いい選手だぞ」。1軍の舞台に立つことばかり考えていた自分に気づけた。

 大勢の言葉は、弟分とそっくり重なる。「京本が1軍に来てくれたことはうれしい。でも僕らは1軍にいることを目標にやっていないので。1軍で2人で活躍してもっと強いジャイアンツの一員にならなければいけない」。まだここは通過点に過ぎない。

(投手担当・水上 智恵)