◆明治安田J1リーグ第11節 C大阪1−1札幌(3日・ヨドコウ)

 北海道コンサドーレ札幌が、修正を図り、5試合連続で勝ち点をつかみ取った。アウェー・C大阪戦は、前半27分にMF浅野雄也(27)のゴールで先制。後半26分にPKで同点とされるも、1―1で引き分けた。前節・湘南戦では3―0から追いつかれたが、連日のミーティングで意思疎通を図ってきた成果を示し、19位ながら最下位は抜け出した。

 らしさを貫き通し、札幌が勝ち点1を上積みした。1―1の後半45分、青木、浅野と立て続けにシュートを放った。この試合まで首位を走っていたC大阪相手に、敵地で最後まで攻めの姿勢を出し続け、5戦連続負けなしとした。DF馬場晴也(22)は「守備するチームじゃないので。湘南戦の反省を生かした上で攻撃的にいけた」と口にした。

 前節は3点差を追いつかれた。オフ明けから3日連続ミーティングし、ポジションごとに意見をぶつけた。馬場が「入れ替わりのところでの声かけっていうのは、特に取り組んできた。そこは湘南戦を糧にレベルアップできた」と言ったように、連係面での課題修正を結果につなげた。40歳の誕生日にJ1通算350試合出場となったGK菅野孝憲は「ディスカッションできたことがバタバタしなかった一つの要因」とうなずいた。

 守備面で前進を見せただけに、引き分けには満足していない。馬場は「先制点は取れるようになってきたし、湘南戦も去年なら逆転できていた。攻撃的にやっているのだから、追加点を取っていかないと」と口にした。その言葉通り、負けのない5試合、全て先制し、攻勢を強めて勝利を狙った。前節は相手の勢いにのまれ、屈辱的な結果となった。追いつかれてもなお、前に出ていったこの一戦は、確実に次につながっていく。

 降格圏脱出こそならなかったが、19位に順位は1つ上げた。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(66)は「どの相手にも我々の戦いは徐々に見せられている。ここから必ずはい上がってみせる」と声を大にした。強気なスタイルが戻りつつある今、その言葉は決して強がりではない。(砂田 秀人)

 〇…浅野が3試合ぶりとなる今季2点目で、勝ち点上積みにつなげた。スパチョークのスルーパスに反応し、左足で放ったシュートは相手GKの右手に当たってのゴールとなり「もうちょい、きれいに決めたかったけど。『入れっ』って思いました」と表情を緩めた。大体大の1学年後輩で、昨季までの同僚・田中との初対戦に「周りも見えているし、やっぱりいい選手だなと」と口にはしたが、決定的な仕事はさせなかった。

 △DF家泉(J1で初先発)「自分のシンプルなミスでカウンターを受ける場面はあったが、そこを除けば悪くはなかった。ただ勝ててないので。0で抑えて勝ちたかった」

 △MFスパチョーク(浅野へのアシストなど攻撃をけん引)「自分のプレーにはある程度満足はしているが、勝ち点3を取れていないので。そこは満足していない」