◆JERA セ・リーグ 中日2―0巨人(6日・バンテリンドーム)

 バンテリンドームで5年連続で勝ち越しがなく、今季も始まったばかりとはいえ、これで1勝3敗。広い球場で、長打はそれほど期待できないと、首脳陣も十分にわかっている。だからこそ、得点には結びつかなかったが1、2回と盗塁を企てて足を絡めた攻撃を仕掛けた。

 ただ、結果は0点に終わってしまった。中日の投手はみな強い真っすぐを投げてくる。凡打だけでなく、ファウルもいい感じで打てておらず、ストレートに対して全体的に差し込まれるケースが多かった。

 打席は本来、打ちに行く場所なのだが、ボール球を振ったらいけないと思っているのか、丁寧に打たなければとしているのか、どの打者もスイングを掛けるよりも見極めることが優先になってしまっているように見えた。投球に受け身になり、その分、差しこまれた。

 特に若い選手は、いい結果を出したい、いい内容のヒットを打ちたいと願うだろうが、100点満点のヒットなんて年間通してもそれほどあるものではない。タイミングをずらされたり、形を崩されて60点のバッティングになることもあるが、まずは打ちに行くこと。攻撃的な気持ちが大切だ。(野球評論家・清水 隆行)