バレーボール男子日本代表は7日、都内で2024年度の始動会見を開き、パリ五輪を含む主要国際大会に出場する16人を発表した。世界最高峰リーグのイタリア1部セリエAで準優勝の高橋藍(らん、22)=モンツァ=は52年ぶりのメダルに挑むパリ五輪へ「自信」を示した。ミラノに所属する石川祐希主将(28)と高橋藍は6月4日開幕のネーションズリーグ(NL)北九州ラウンド(R)から出場する。

 イタリアで一回り、二回りと成長した姿があった。高橋藍は、日本男子として1972年ミュンヘン五輪以来、52年ぶりの金メダルを目指すパリ五輪へ「やれることはやってきた。経験も積めてきたし、今は自信があります。パリではメダル獲得を目標に全力を出したい」と決意表明。シーズンを終えたばかりのミラノの石川と2人は、31日までチームに合流せず、味の素トレセン(東京・北区)などで別調整。6月4日開幕のNL北九州Rから出場する。

 全てはパリのためにやってきた。初出場で8強入りした東京五輪後「世界との差を埋めたい」とセリエAに挑戦。3季目の23―24年シーズンは日本人で19季ぶりの決勝進出。ペルージャに屈したが、各国代表が集うリーグ決勝の舞台に立った経験は大きく「難しさも感じたし、どう勝つかイメージも持てた」という。ミラノで過去最高の3位に入った石川主将も「(日本の)怖さを感じたと思う」と、世界に強力なアタッカー勢の存在を知らしめた。

 1日に帰国し、京都の実家に帰った。トレーニングは入れながら「(セリエA決勝の映像は)まだ見ていない。(SNSに)流れてきたのを少し。久々に家でゴールデンウィークを過ごした」。この日もチーム練習は参加せず、早めに体育館を後にし、合流する北九州Rに照準を合わせていく。

 バレーボールを盛り上げるため「インスタグラマー」と自己紹介してから1年。北九州Rは日本戦のチケットが全4日間すべて、ほぼ完売となった。「今はメダルを取れる力がある」。主軸に成長した22歳が、日本の52年ぶりの偉業に挑む。(宮下 京香)

 指揮官が目標発表 〇…フィリップ・ブラン監督(63)は今季のチーム目標を「全てはパリのために〜ともに歴史を作る〜」と発表。「パリでメダルを取ることは、日本バレーボールの歴史に新たな1ページを刻むことになる」と、72年ミュンヘン大会以来のメダル獲得へ、気持ちを込めた。五輪前最後の国際大会となる5〜6月のNL終了後にメンバー16人の中から五輪代表12人と補欠1人を選出することも明かした。