セーリングのパリ五輪最終予選・ラストチャンスレガッタ(4月・フランス)で国別の出場枠を獲得して日本代表に決まった3選手が8日、都内で会見した。

 男子iQFOiL級では39歳の富沢慎(トヨタ自動車東日本)が最終予選で優勝し、セーリング日本勢初の5大会連続出場を決めた。08年北京から21年東京大会まで出場したRSX級がなくなり、新たな種目で適応に苦しみながらも、パリ切符を獲得。「新艇種になっているので、すごい新鮮な気持ちでオリンピックを迎えられる。パリ本番はさらに格上の選手がやってくるので、とにかくチャレンジングな活動をしたい」と、上位進出へ意欲を示した。

 女子49erFX級では田中美紗樹、永松瀬羅(豊田自動織機)組が初出場を決めた。東京五輪出場を逃した永松が、早大時代に半年間組んだ経験のあった後輩の田中を誘い、ペア結成。最終予選6位で切符をつかみ、クルーの永松は「上位の海外の選手とは力量差を感じながら、ずっとレースをしてきていた。その中でしっかり成績を出せて、ホッとした気持ち」と喜んだ。スキッパーの田中は本番へ「失う物は何もないという気持ちで思い切ったレースをしたい」と意気込んだ。

 3選手のほか、最終予選で混合ナクラ17級の飯束潮吹(エス・ピー・ネットワーク)、西田カピーリア桜良(関大)組も切符を獲得した。世界選手権参戦のためこの日の会見は欠席し、日本連盟を通じて書面でコメント。初五輪の西田は「子どもの時からずっと輝いて見えた舞台。諦めずにヨットを続けていて良かった」。飯束は2大会連続の舞台へ「東京での経験を生かして、自分の実力が出せるようにチームの調整をしていきたい」と意気込み、目標を「入賞すること」と掲げた。