J1ジュビロ磐田のエースFWで、リーグ得点ランキングトップのジャーメイン良(29)が左前額骨陥没骨折で離脱した。6日の東京V戦で負傷したもので、練習合流まで手術後1か月程度かかると、クラブが9日発表した。11日の鳥栖戦(ヤマハ・14時)から札幌、浦和戦と続く3連戦を控え、横内昭展監督(56)は「総力戦で乗り切りたい」と気を引き締めた。

 今季12戦で11得点と磐田の攻撃を引っ張ってきたジャーメインが、戦線を1か月以上離脱することになった。チームはこの日、磐田大久保グラウンドで一部非公開で練習。トレーニング後に取材に対応した指揮官は「一番ゴールを挙げている選手。痛いです」と厳しい表情。コンビを組んできたFWペイショット(28)も「悲しい気持ちです。一日でも早く復帰してほしい」と話した。

 5月も中旬に入り、気温が上がる。「けっこう疲労が残る」(監督)という難しい時期に、チームは3連戦を迎える。鳥栖戦の後は15日にアウェーで札幌、そして19日にホームで浦和と戦う。「チーム全員で乗り切りたい。代わりに誰が出るにしても、チームにパワーを与えてほしい」と指揮官は力をこめた。

 代役候補に挙げられるのがMF石田雅俊(29)だ。千葉県出身で、18年にはJ3沼津でもプレー。その後は韓国リーグで戦い、今季新加入した。先月27日の町田戦での途中出場がJ1デビュー。身長180センチと高さもある。「プレースタイルが違うので同じことはできないけれど、ゴール前で得点に関わる強みを生かしたい」と静かな闘志をのぞかせた。

 190センチの長身を生かして2戦連発中のペイショットも、エース不在の事態に燃えている。コーチ陣にポジショニングなどのアドバイスを受け、現在チーム2位の4得点。「期待に応えたい。しっかりとゴールを決めて貢献したい」と力強かった。

 MF山田大記主将(35)も「誰が出ても大丈夫、というチームがつくられてきた。みんなやるべきことは分かっている」と前を向いた。チーム一丸で非常事態を乗り越える。まずはホームで鳥栖に勝つ。

(里見 祐司)

 〇…ジャーメインは自身の「X」で言及。「悔しいですがもしあのシーンでこの怪我をするとわかっててもFWとしてあの1点を取りに飛び込んでたと思います! また復活してチームに貢献できるようにがんばります! 試合で衝突した東京ヴェルディの林選手、今のところ大事は無いということで早期の復帰を祈ってます」(原文まま)と相手選手を思いやった。

 〇…DFリカルドグラッサが東京V戦で一発退場したため、最終ラインも手薄。カタールでのパリ五輪アジア最終予選を終えて合流したばかりのU―23日本代表・鈴木海音(21)が、リーグ6試合ぶりに先発しそうだ。帰国翌日だった前節も2―2の後半43分に途中出場したが、失点を止められず「もっとやらなきゃいけない、と思っています」。