◆女子プロゴルフツアー ブリヂストンレディス 最終日(19日、千葉・袖ケ浦CC袖ケ浦C=6731ヤード、パー72)

 1打差2位から出た竹田麗央(りお、21)=ヤマエグループHD=が6バーディー、2ボギーの68と伸ばして通算14アンダー、逆転で今季3勝目を手にした。自慢の飛距離とパットがかみ合い、自身初の4日間大会V。30日開幕の海外メジャー、全米女子オープン(ペンシルベニア州ランカスターCC)へも弾みをつけた。山下美夢有(みゆう、22)=加賀電子=、河本結(25)=リコー=が2打差2位。

 豪快なショットを武器に竹田が、全長6731ヤードの長いコースを攻略した。「自信を持って優勝することができた」。4日間の平均飛距離284・63ヤードは堂々の1位で、1打で50ヤードも引き離すなど同組の山下、河本を圧倒。パットもかみ合い「4日間大会で勝ちたいと思っていたのでうれしい」と納得の笑みを浮かべた。

 第2、3Rでともにボギーだった1番で、奥のラフからチップインバーディーを奪い首位に並んだ。「本当にラッキー。乗っていける感じだった」と3番まで続けて伸ばし、単独トップに立った。初優勝した今季は早くも3勝目。大会を見守ったブリヂストン・アスリート・アンバサダーで日米通算24勝の宮里藍さん(38)は「飛距離だけではなく、小技の感覚やパッティングのバランスがすごくいい。米ツアーに行っても通用する」と絶賛。21歳の潜在能力は計り知れない。

 前週は今季2度目の予選落ちとなり、地元・熊本に帰って英気を養った。「オーダーしていた野球のグラブが届いて、型をつけていた」。野球をしている弟・征士朗さんと自宅で楽しくキャッチボール。気分転換に成功すると、見事に優勝を“キャッチ”した。

 30日からは全米女子オープンを控える。27日付の世界ランキング75位以内で出場権を得られる舞台に向け、現在64位の竹田は既に動画でコースを研究したという。初の渡米でもあり「一軒家を借りるのでバーベキューが楽しみ」と胸が躍る。

 年間ポイントでは2週ぶりに首位に返り咲いた。叔母の平瀬真由美は1994年に4勝を挙げて賞金女王に輝いただけに「超えたい」と意欲を見せた。海外志向もあるが、米ツアー挑戦については「(国内)メジャーを勝ってから」と年内の予選会受験への明言は避けた。次週の日本ツアーを経て、米国入りする。波に乗る飛ばし屋が海を越えて真価を発揮する。(富張 萌黄)