史上初めてゴルフのジュニアメジャー4冠を達成し「ゴルフ天才少女」と呼ばれる須藤弥勒(12)=ゴルフ5/太陽自動車=が20日、プロ野球の巨人、西武でリリーフエースとして活躍した鹿取義隆さん(67)から「勝負の心得」を伝授されたことを明かした。

 19日に栃木・宇都宮市のロイヤルCCで一緒にゴルフを楽しみながら、プロ野球歴代12位の通算755登板を誇る鹿取さんにメンタル面のアドバイスと技術向上のヒントを授かったという。弥勒は「父(憲一さん)から『横手投げと下手投げの投手は本当にゴルフがうまい。体重移動や踏み込み方など勉強しなさい』と言われていました。鹿取さんのゴルフを見て、本当にその通りでした。球は飛ぶし、アプローチもパットの距離感も素晴らしかったです。プロゴルファー?と思うようなプレーでした」と往年の名投手のセンスに感嘆した。

 4月に中学生となった弥勒は今年の8月6日に13歳の誕生日を迎え、日本女子プロゴルフツアーが定める出場可能な年齢に達する。8月6日以降にレギュラーツアーでデビューが予定されている。プロ野球の世界で19年間も生き抜き、現役引退後は指導者としても活躍する鹿取さんにプロスポーツの世界で必要な勝負の心得を教わった。

 「何より練習が大事。試合では練習したプレーをするだけ。練習していないプレーや練習不足のプレーは試合ではしてはいけない」

 鹿取さんの金言について、弥勒は「ピンチの時に限って、練習不足で確率の悪いプレーを選択してしまうことがあります。レギュラーツアーの戦いは厳しいことが分かっています。ピンチになった時、鹿取さんの言葉を思い出すようにします」と表情を引き締めて話した。弥勒に帯同した母みゆきさんは「鹿取さんに精神面のアドバイスをたくさんいただきました。特に、プレッシャーがかかった時の心の持ちようについて、丁寧に教えていただきました」と感謝した。

 鹿取さんは弥勒の潜在能力を称賛。「体を上手に使って、理にかなった打ち方をしている。12歳とは思えない。騒がれるだけあります。プレッシャーもすごいだろうけど、急がずにゆっくりと育ってほしい」とエールを送った。

 ◆須藤 弥勒(すとう・みろく)2011年8月6日、群馬・太田市生まれ。12歳。1歳からゴルフを始め、東大出身の父・憲一さんの緻密な指導を受ける。17年に大会史上最年少で世界ジュニアに優勝。18年も連覇した。19年にマレーシア世界選手権、21年にキッズ世界選手権、22年6月にジュニア欧州選手権優勝し、ジュニアゴルフ界の4大メジャーを制覇。22年8月に横峯良郎氏に弟子入り。22年1月からアマチュアも無制限でスポンサー収入を得ることが可能になったことで、ダブル所属契約のゴルフ5と太陽自動車をはじめ15社・団体と推定総額3億6000万円以上のスポンサー契約を締結。家族は父、元フィギュアスケート選手でピアニストの母みゆきさん、兄・桃太郎君、弟・文殊君。150センチ、50キロ。