●20日ゴースタ サッカー「チーム石川」監督・越田さん 元日本代表チームと対戦

 20日に金沢ゴーゴーカレースタジアムで行われるサッカーの能登半島地震復興応援チャリティーマッチ(北國新聞社後援)で、金沢市出身の元日本代表DF、越田剛史さん(63)が特別な思いで「チーム石川」の監督を務める。試合翌日は競技人生を支えた兄嘉弘さん(2009年死去、享年52)の命日。ベトナムで指導し、一時帰国した越田さんは「兄が導いたご縁と思って監督を引き受けた。能登の希望になる試合にする」と意気込む。

 兄の嘉弘さんは香林坊2丁目のおでん店「よし坊」を切り盛りし、大学生時代に父を亡くした越田さんを物心両面で支え、サッカーに打ち込める環境をつくってきた。

 越田さんは昨年6月からベトナムサッカー連盟で指導者を務め、同国に滞在する。地震が起きた元日は帰国して東京におり、翌日に金沢へ出向いたが「能登に行けないままベトナムに戻り、その後の石川の状況をずっと気に掛けていた」という。

 そんな折、チャリティーマッチ実行委員長の小島潔さん(小島歯科クリニック院長)から、復興支援の一戦で監督を務めてほしいと依頼を受けた。小島さんは「越田さんは県内初の日本代表に選出され、ツエーゲン金沢発足に貢献した一人。今回の監督の適任者だ」と話す。越田さんは桜丘高、筑波大から日産自動車、ツエーゲンの前身となる金沢サッカークラブでプレーし、その後は指導者の道を歩んできた。

 復興応援マッチでは佐藤寿人(ひさと)さん、中澤佑二さんら元日本代表15人が今回のために結集する「ブルーレジェンズ」と、ツエーゲン金沢OBら石川ゆかりの20人でつくる「チームがんばろう石川」が対戦。ブルーレジェンズの監督は宮本恒靖さんが選手を兼ねて務める。

 越田さんは18日、北國新聞社を訪れ「選手も来場者も楽しんでもらうことが大切だ。その姿が能登の希望につながる」と語った。20日は試合の前に、能登復興の思いを込めて兄の墓を参る。

 午後0時半開場で、試合は同2時半開始、前後半各20分で行われる。入場無料。会場には輪島朝市の一部店舗が出店する。

  ●なでしこジャパン 7月に国際親善試合 ゴースタ

 サッカー日本女子代表「なでしこジャパン」が7月13日、「能登半島地震復興支援マッチ がんばろう能登〜」と題した国際親善試合を、金沢ゴーゴーカレースタジアムで行う。日本サッカー協会が18日、発表した。対戦国は未定。

 試合のチケット収入に協会が同額を加えて、サッカーファミリー復興支援金として拠出する。基金は被災地でサッカーを楽しめる環境の復旧・復興に使用される。同協会によるとパリ五輪前に国内で実施する最後の対外試合となる。