●仮設工房で職人と面談 

 衆院の額賀福志郎議長と海江田万里副議長は15日、能登半島地震で甚大な被害を受けた輪島市を視察に訪れた。市が整備した輪島塗の仮設工房で被災した職人と面談し、額賀氏は「日本の代表的な伝統工芸である輪島塗がこれからも息づき、継承されるよう、与野党が協力してバックアップしたい」と後押しを約束した。

 衆院の正副議長がそろって視察に訪れるのは異例。仮設工房で両氏は、元日の地震による大規模火災で輪島朝市近くの作業場を失った職人の北村竜治さん(55)=輪島市河井町=と車座になって対話した。

 仮設工房は約2年間の入居期限が設けられている。北村さんが「期限が過ぎてから、仕事を続けていくことができるかどうか、不安な思いはある」と打ち明けたのに対し、額賀氏は「『2年たったら終わり』ということは決してない。皆さんが希望と情熱を持ち続けられるよう応援していく」と述べ、必要な予算措置が講じられるよう国会での議論を促していくとした。

 北村さんは応急仮設住宅から工房に通っており、海江田氏は「自宅と工房が一緒の方が理想的だ。一日も早く日常を取り戻せるよう支えたい」と語った。

 両氏は地盤が隆起し、約200隻の漁船が出漁できずに停泊する輪島港や、火災で大半が焼失した輪島朝市も視察。朝市通りで黙とうをささげた。いずれも坂口茂輪島市長が同行し、額賀氏は東日本大震災の経験から創造的復興の重要性を挙げ「市は県とともに輪島の復興に向けた未来像を描き、国に相談してほしい」と話した。

  ●午後に珠洲へ

 両氏は午後、珠洲市で津波が襲った宝立(ほうりゅう)町の海岸を視察し、珪藻土(けいそうど)事業者と面会。金沢市で輪島塗の事業者と懇談する。