北村匠海、山田裕貴、吉沢亮らの魂のこもった役づくり！魅力的なキャラクターが躍動する「東京リベンジャーズ」シリーズ

斬新な設定が話題となり、累計発行部数7000万部超を記録している和久井健の人気コミック「東京卍リベンジャーズ」。アニメはもちろん、ミュージカルや舞台版まで作られた、まさにメディアミックスの成功例といえる本作は、劇中のセリフが若者の間でバズるなど社会的旋風を巻き起こしたことも記憶に新しい。その人気の要因の一つとして挙げられるのが北村匠海、山田裕貴、吉沢亮ら今をときめく俳優が共演した実写映画の大ヒットだろう。

1作目の映画として2021年に公開された「東京リベンジャーズ」は、しがないフリーター生活を送る元ヤンの主人公・タケミチ(北村)が、ひょんなことから高校時代にタイムスリップし、元恋人のヒナ(今田美桜)が半グレ集団・東京卍會の抗争に巻き込まれて命を落としてしまう未来を変えようと奮闘するというストーリー。

"ヤンキー×タイムリープ"という2つの要素を持った本作は幅広い層の観客を獲得し、コロナ禍にもかかわらずその年の実写劇映画No.1となる興行収入45億円の大ヒットを記録した。勢いそのままに、2023年に2部作で合計50億円超えを叩き出したのが「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編−運命−」と「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編−決戦−」だ。

原作でも屈指の人気エピソードとして知られる"血のハロウィン編"を2部作で映画化。死の運命から救ったはずのヒナが再び殺されてしまい、タケミチが東京卍會が凶悪化する転機となった10年前のハロウィンへ再びタイムスリップするという内容。仲間のためなら命さえ惜しまない東京卍會結成メンバーの絆を引き裂いた悲しい事件、そして親友同士の戦いといった壮絶な過去を変え、ヒナと仲間たちを救おうとするタケミチの戦いが語られていく。

不良少年たちのアツい友情が繰り広げられる青春模様に加え、タイムリープの度に少しずつ展開が変わっていく先の読めなさ、そして迫力満点のアクションが魅力の本シリーズだが、根っこの部分を支えているのは個性豊かなキャラクターだ。

ストーリーの軸となるタケミチは「いつでも人生やり直せる」と逃げてばかりの冴えないフリーター。不器用で喧嘩も今ひとつなどこまでも凡庸な青年だ。少年漫画の主人公とは思えない根っからの負け犬という、思わず共感してしまうようなタケミチだからこそ、人生にリベンジしようとがむしゃらに成長していく姿には心を動かされる。

演じる北村にとっても「最も好きなキャラクター」だと言い、ヘタレだがアツいキャラクター像を見事に表現した。強者相手にビビり散らすコミカルな表情から何度殴られても立ち上がるガムシャラな顔つきまで、魂のこもった演技でタケミチに人間味をもたらしている。ダイナミックな感情表現とは裏腹に、過去と現在で姿勢をかすかに変えてキャラクターの心情の違いを表現するなど、綿密な役作りも欠かさず原作へのリスペクトを感じさせた。

等身大なタケミチに対し、吉沢が演じるマイキーは、貧弱そうな美青年だが蓋を開ければ喧嘩最強。圧倒的なカリスマで東京卍會をまとめる総長だが、人には見せられない弱さも抱えるなど、ギャップにあふれた"ザ・漫画"なキャラクター。持ち前の美しいルックスを生かした漫画からそのまま出てきたようなビジュアルもさることながら、何事にも動じないカリスマオーラや時折見せる影を落としたダークな狂気まで吉沢は完コピ。これ以上ないハマりっぷりを見せている。

そんなマイキーの"心"と言われるドラケンは、強面な見た目に反して、誰よりも情に厚い仲間想いな男。映画では山田が演じており、実際に側頭部を刈り上げたビジュアルの再現度の高さに加え、一本筋の通った人格者らしいドッシリと構える雰囲気など、その姿は実在感すら覚えるほど。長身という特徴を再現するため15cmものインソールを入れてアクションに挑むなど、山田のアツさはキャラクターさながらだ。

彼ら以外にも、眞栄田郷敦、磯村勇斗、間宮祥太朗、杉野遥亮といった売れっ子たちが演じる、魅力的なキャラクターが多数登場する「東京リベンジャーズ」。シリーズを通じて見ていくうちに、自然と"推し"が見つかることだろう。

文＝HOMINIS編集部