昴学園・東監督の「下克上」第2章へ 春季高校野球三重大会で初の3位 夏に向け成長誓う
昴学園は夏の県予選での勝利から10年以上遠ざかっていたが、東監督の上野高時代の教え子である高橋賢前監督(31)の指導で力を付けてきた。昨春、南地区予選を勝ち抜き、初戦で破れたが、初めて県大会に出場した。
昨夏の県予選では桑名工に勝ち、17年ぶりに1勝を挙げた。大会後、東氏が監督に就任。昨秋の南地区予選を2位で通過したが、県大会初戦で宇治山田商にコールド負けを喫していた。
今大会は1回戦で相可に勝って県大会初勝利を挙げると、桑名工と三重を破って4強入り。準決勝で菰野に敗れ東海大会出場は逃したものの、3位決定戦で宇治山田商に秋の雪辱を果たした。
東監督が「上に来たら河田で勝負と考えていた」と期待を寄せる背番号10の2年生右腕河田虎優希が投打に躍動。準決勝、3位決定戦を含む3試合で完投し、三重戦での同点本塁打を含めた全5試合で安打を放った。
試合ごとに成長していくチームは2回戦以降の3勝すべてで逆転勝ち。同地区の強豪校、三重と宇治山田商を破り、3位決定戦後の取材では「ずっと追いかけて目指してきたのでうれしい」と率直な気持ちを明かした。
一方で、昨年まで夏の県予選での一勝が目標だったチーム。「おなかいっぱいになっていないかが気になる」と独特の表現で、選手たちが今大会の結果に満足せず、さらなる高みを目指すよう期待する。
この春に29人の新入部員を迎え、約60人の大所帯に。夏の県予選第3シードを獲得し「下克上」を期待する声もある。それでも東監督は「まだ上位のチームとは差がある。守備も打撃も鍛えていきたい」と夏に向けて成長を誓った。