早稲田大学は5月16日、試験中にスマートグラスを使って不正行為を働いた受験生が書類送検されたと発表した。スマートグラスで入試問題を撮影し、外部の人物と共有していたという。この件を巡り、早大は対象の受験生の入試結果を全て無効にした上で、警察に告訴状を提出していた。

 不正が起きたのは2月16日に実施した、基幹・創造・先進理工学部一般選抜。不正行為を行った受験生はスマートグラスを使って入試問題を撮影し、スマートフォンに転送。SNS経由で画像を外部の人物へと渡し、解答案の作成を依頼していた。なお、依頼を受けた人物はそれが入試問題だとは知らなかったという。

 早大はこの件について調査を開始し、不正行為を行った人物を特定。警察と文部科学省にこの件を通報し、警察には告訴状も提出した。告訴状を提出した理由は「当該不正行為が悪意をもって入念に計画されたものであり、学内調査では全容を解明することが困難であると判断したこと、他大学においても同様の不正が行われることを懸念したため」と説明している。

 不正行為の詳細や、早大がそれを察知し対象者を特定した方法については、今後の捜査や再発防止の妨げになる恐れがあるため非公開としている。