NVIDIAは4月4日、日本においてクラウドゲーミングサービス「GeForce NOW」の直接提供を開始した。無料プランの他、混雑時の優先接続を受けられる「Priority(プライオリティー)」プラン、優先接続に加えて最大4K(3840×2160ピクセル)/120Hzでのストリーミングプレイをサポートする「Ultimate(アルティメット)」プランも用意されている。

 なお、記事中の料金は全て税込みで記載している。

●GeForce NOW(NVIDIA提供)の概要

 GeForce NOWは、ユーザーが所有(購入)したゲームをクラウドサーバからのストリーミングで楽しめるサービスだ。現時点では、以下のオンラインゲームストアで購入した対応ゲームタイトルをストリーミングで楽しめる(国/地域によっては非対応な場合もある)。

・Steam

・Xbox(Microsoft Store:「Xbox PC Game Pass」にも対応)

・Epic Games Store

・Ubisoft Connect

・Electronic Artsストア

・GOG.com

・Battle.net

 対応ゲームタイトルは、NVIDIAの公式サイトから確認できる。

 NVIDIAが直接提供するサービスには、無料プランと2種類の有料プランが用意されている。各プランの主な仕様は以下の通りだ。

・無料プラン

・サーバ:標準

・リグ(サーバ側GPU):基本(レイトレーシング等非対応)

・セッション:最長1時間

・広告表示:あり

Priorityプラン(24時間650円/月額1790円/6カ月8950円)

・サーバ:プレミアム(優先接続権あり)

・リグ(サーバ側GPU):プレミアム(レイトレーシング対応)

・ストリーミング解像度:最大フルHD(※1)

・リフレッシュレート:最大60Hz(※1)

・セッション:最長6時間

・広告表示:なし

Ultimateプラン(24時間1300円/月額3580円/6カ月1万7900円)

・サーバ:専用サーバへの独占接続

・リグ(サーバ側GPU):GeForce RTX 4080(レイトレーシング対応)

・ストリーミング解像度:最大4K(※1)

・リフレッシュレート:最大120Hz(※1)

・セッション:最長8時間

・広告表示:なし

(※1)実際に表示できる解像度とリフレッシュレートは、ゲームタイトルやプレイ環境により異なる

 Ultimateプランでは、サーバ側のGPUとして「GeForce RTX 4080」が使われる。ピーク時の処理性能は「Xbox Series X」や「PlayStation 5」の約5倍で、超解像技術「DLSS 3.5」(フレーム補間/レイ再構築にも対応)、入力遅延抑制技術「NVIDIA Reflex」(最大240Hz)、表示同期技術「G-SYNC」を利用可能だ(※2)。デバイスが対応していれば、映像のストリーミングにデータの圧縮効率の高い「AV1コーデック」を使うことも可能だ。

(※2)G-SYNCを利用するには、一定の要件を満たす必要がある(後述)

 なお、Ultimateプランでは4K(3840×2160ピクセル)/120Hzの他、以下の解像度/リフレッシュレートでもストリーミングを行える。

・3440×1440ピクセル/120Hz

・WQHD(2560×1440ピクセルまたは2560×1600ピクセル)/120Hz

・フルHD(1920×1080ピクセルまたは1920×1200ピクセル)/240Hz

対応デバイス

 GeForce NOWは、以下のデバイスで利用できる。詳細な要件は公式サイト(英語)から確認可能だ。

・Windows PC(Windows 7以降:64bit版のみ)

・Mac(macOS 10.11以降)

・Chromebook/Chomebox/Chromebase(ChromeOS バージョン77以降)

・Android端末(Android 5.0以降)・iPhone/iPad(iOS/iPadOS 14.3以降)

・NVIDIA SHIELD TV

・LGエレクトロニクス製WebOS搭載TV(2020年以降に発売された一部モデル)

・Android TV/Google TV(Android TV 5.0以降)

 なお、UltimateプランでG-SYNCを利用するには、以下のハードウェアにおいてネイティブアプリを使う必要がある。

・ディスプレイ

・Windows PC:G-SYNC/G-SYNC CompatibleかFreeSyncに対応するもの

・Mac:Apple ProMotionに対応するもの

GPU

・Windows PC:Turingアーキテクチャ以降のNVIDIA製GPU(他のGPUは非対応)

・Mac(Apple Silicon):全モデル

・Mac(Intel CPU):Intel Iris Plus GraphicsまたはRadeon PRO搭載モデル(※3)

(※3)MacBook Pro(13インチ、2020年、Thunderbolt 3×4)、MacBook Pro(16インチ、2019年)、MacBook Air(Retina、13インチ、2020年)、iMac(Retina 5K、27インチ、2020年)、Mac Pro(2019年:「Radeon PRO W5500X」以上のMPXモジュールを搭載した場合)

 また、UltimateプランでフルHD/240Hzのストリーミングを楽しむ場合は、以下のハードウェアにおいてネイティブアプリを使う必要がある。

・ディスプレイ:フルHD/240Hz表示に対応するもの

・PC本体

・Windows PC:Maxwellアーキテクチャ(GM20x)以降のNVIDIA製GPU、または第6世代Coreプロセッサ以降に内蔵されたIntel GPUを備えること

・Mac:MacBook(2017年以降)、MacBook Air(2018年以降)、MacBook Pro(2016年以降)、iMac(2015年後半のRetina 5Kモデル以降)、Mac mini(2018年モデル)、Mac Studio

1. 3#推奨通信速度

推奨通信速度

 GeForce NOWは、ゲームの映像をストリーミング動画としてデバイスに配信する。そのため、快適にプレイするには“安定して”一定の通信速度を確保する必要がある。主な解像度/リフレッシュレートにおける必須通信速度は以下の通りだ。

・HD(1280×720ピクセル)/60fps:15Mbps

・フルHD/60Hz:25Mbps

・WQHD/120Hz、フルHD/240Hz:35Mbps

・4K/120Hz:45Mbps

 従来、日本市場ではパートナー企業を通してGeForce NOWを提供していた。現在もKDDIが「GeForce NOW Powered by au」として提供中で、今後も同サービスは継続提供される。料金プランは以下の通りだ。

・無料プラン:「auスマートパスプレミアム」(月額548円/初回30日無料)の会員特典として提供

・有料プラン:月額1980円(au/UQ mobileの携帯サービスの契約者は月額1650円)

・NVIDIAにおけるPriorityプランに相当(リグは「GeForce RTX 3080」を利用)

・auの「使い放題MAX 5GALL STARパック2」(月額1万1187円)契約者は追加料金なし(無料)で利用可能