岩手医大(矢巾町)の理事長に就任した祖父江憲治氏(76)は岩手日報社のインタビューに対し、医師不足に対応するため「地域医療を担う専攻医(旧後期研修医)を増やしたい」と人材育成に注力する考えを示した。分院となる盛岡市の内丸メディカルセンター(MC)の再整備については「早晩進める」と語った。

 (聞き手は報道部・清水美穂)

 ―就任の抱負を。

 「亡くなった小川彰前理事長とは30年来の盟友であり、共に困難を乗り越えてきた。本当に残念でならないが、岩手医大をさらに全国区で勝負できる大学にしていく。本県はもちろん北東北の医療を守るのが創立以来の使命であり、思いに変わりはない」

 「多くの医療人を育て、輩出することが大事だ。本気で地域医療をやりたいという専攻医を増やし、次世代の人材を育てる。現状は専攻医が230人程度いるが、必要な所に回すには400人ほどに増やしたい」

 ―新型コロナウイルス禍や燃料高など病院経営への影響は。

 「コロナ禍の受診控えから患者数が戻っておらず、非常に厳しい。コロナ患者がゼロになったわけでもなく、ある程度の病床は確保する必要があるが、国の補助もなくなった。収入がかなり減ったが、何とか乗り越えなければならない」