遠野市下組町の市地域おこし協力隊大地漠(おおち・ばく)さん(29)は「風情研究家」を名乗り、活動している。線香の煙の流れを鑑賞するアートライブ「煙道(えんどう)」を開き、煙を楽しむための陶器も自ら制作する。「自然と調和し、小さな感動に出合えるような装置をつくることで、暮らしに活力や生きる喜びを届けたい」と思いを込める。

 同市の旧土淵中校舎内に設けた工房。器の噴出口からゆらゆらと立ち上る煙は、オーロラのように、時に野焼きの煙のように次々と変化する。器は円すい、球体、遠野三山を模した形など。電動ろくろは使わず、黒土を手びねりで作る。噴出口の形状や大きさで、さまざまな煙の量や動きを表すことができる。

 6月7〜9日には、遠野市中央通りのこども本の森遠野いちの蔵でライブと器の販売を兼ねた個展を開く。紫波町、盛岡市での開催も予定している。大地さんは「疲れたときや夜寝る前などに自分だけの時間を味わってほしい」と願う。

 器は6万5千円から販売している。問い合わせは大地さん(電話080・7562・6931、メールhuurinsha@gmail.com)へ。