NHK連続テレビ小説「虎に翼」(総合など)第8週「女冥利に尽きる?」(第36〜40話)の第37話が21日、放送される。

日本初の女性弁護士で、のちに裁判官になった三淵嘉子さんの人生をもとにした物語を描く朝ドラ「虎に翼」。女優の伊藤沙莉が主人公の佐田寅子役を演じる。主題歌「さよーならまたいつか!」を歌うのは、シンガー・ソングライターの米津玄師。語りを「カーネーション」(2011年度後期)で主演を務めた女優の尾野真千子が担当する。

「虎に翼」第36話振り返り

昭和17(1942)年1月、佐田優三(仲野太賀)と結婚して以来、寅子には次々と弁護の依頼が来るようになり、父、直言(岡部たかし)の工場も軍からの注文が途切れず、猪爪家は順風満帆。太平洋戦争が始まり、男性が相次いで徴兵されていることも影響して、民事の案件の依頼は減っていたが、寅子は道半ばにして法曹への道を諦めざるを得なかった学友たちや、世の困っている女性たちのために頑張らねばと奮起した。

そんななか、寅子は、半年前に死別した歯科医の夫の両親との間で4歳の息子とおなかの子の親権を争う妊娠中の未亡人、両国満智(岡本玲)の裁判を担当することになった。稼ぐ手段を持たない満智は、亡き夫の友人だった歯科医、神田に夫の診療所を貸し、その賃料を生活費に充てようとしたが、夫の両親は、満智が神田の妾になったと怒り、民法896条の定める「母の著しき不行跡」を主張して、親権を剥奪すべく訴訟を提起していた。

満智に同情した寅子と、雲野六郎(ドランクドラゴン・塚地武雅)の法律事務所で手伝いとして働く学友の山田よね(土居志央梨)は、親権を得たい義父母が、あえて満智に満足な支援を与えず冷遇し、道を外れるよう図ったのではないかと推察。憤る寅子を、優三は決めつけて突っ走らないようにと心配したが、寅子はその線で審問を進めて裁判官の心証を引き寄せ、訴えは棄却され、原告も「孫はいなかった。そう思うことにする」と控訴を断念した。しかし裁判を終えた後、資料を見直していた寅子は、満智が妊娠した時期にはすでに夫の病状がかなり悪化していたことに気づいた。後日、裁判のお礼に法律事務所を訪れた満智に寅子が疑問をぶつけると、満智は「てっきり目をつむってくれているものとばかり…やっぱり女の弁護士先生って手ぬるいのね」と悪びれずに笑い、おなかの子も長男も神田との間の子であることを認めた。そして唖然とする寅子たちに向かって「女が生きていくためには悪知恵が必要」と開き直り、帰っていった。

雲野は、調書の読み込み不足で冤罪の可能性があった事案を見過ごし、今も後悔を引きずっている自身の苦い経験を明かし、「君の失態が誰かの人生を狂わせたことを忘れてはいかん」と寅子に厳重注意した。

「虎に翼」第37話あらすじ

戦時下で食べ物が貴重になるなか、優三は一緒においしいものを食べて寅子を元気づけようとする。その夜、寅子は優三に「どんな弁護士になりたかったか」と尋ねる。「法律の本を出すことが夢だった」と語る優三と、仲睦まじく語り合う寅子。やがて、猪爪家にうれしい知らせが舞い込む。