俳優の高橋一生が主演を務めるNHKのドラマ「岸辺露伴は動かない」(5月5日、BSプレミアム4K、午後1時/同月10日、総合、午後10時)シリーズの最新作「密漁海岸」の試写会と記者会見が22日、行われ、高橋のほか、共演する女優の飯豊まりえ、制作統括の土橋圭介さんらが参加した。

同作は「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズで世界的な人気を誇る荒木飛呂彦さんの漫画が原作。相手を本にして、生い立ちや秘密を読み、さらに指示を書き込むこともできる特殊能力「ヘブンズ・ドアー」を備えた人気漫画家の岸辺露伴(高橋)が、編集者の泉京香(飯豊)とともに、奇怪な事件や不可思議な現象に立ち向かうスペシャルドラマで、これまで20年末に第1期(第1〜3話)、21年末には第2期(第4〜6話)、22年末に(第7〜8話)が制作されてきた。

会見冒頭、土橋さんは今回の原作がシリーズ中でも大変な人気作で、かねて、ファンから映像化の要望も多かったが、演出面の困難さから見送ってきたという経緯を明かし、劇場版でルーブル美術館を舞台にしたエピソード「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」(23年)を映像化できたことから手ごたえを感じ、満を持して今回取り組んだと語った。

高橋は、コロナ禍でスタートしたこのシリーズの現場で初めてマスクなしで撮影に臨めたという土橋さんのコメントを受け、「今回初めて顔の全貌を確認することができる(スタッフの)方が多々いらっしゃって、そういえば、2019年まではこういった形で撮影ができていたなと感動する出来事でした。長く一緒に撮影をさせていただいているチームの皆さんの笑顔、充実した顔を現場の中で確認しながら、反応してもらいながら、撮影をしていけるのはお芝居をやっていて楽しいと思える、エネルギーがすごく強く伝わってくる久しぶりの現場だったと思います」と現場の充実感を振り返った。

飯豊はルーブルで劇場版を撮影していた時には、次回作について決まっていなかったと言い、「こんなにも早く新作を、そして『密猟海岸』を皆様にお届けできるのはすごくうれしく思います」と笑顔を見せた。

「岸辺露伴は動かない」第9話「密漁海岸」あらすじ

露伴邸の近くにひっそりとオープンしたイタリアンレストラン。その店を訪れた露伴と京香が出会ったのは、供する料理で客の体の悪いところを改善させる不思議な力を持ったシェフのトニオ・トラサルディ(Alfredo Chiarenza)だった。

トニオは露伴に、どんな病気でも治してしまうという伝説のヒョウガラクロアワビを手に入れようと密漁を持ちかける。実はトニオには、重い病気を抱えたフィアンセ・森嶋初音(蓮佛美沙子)がいたのだ。