NHK大河ドラマ「光る君へ」(総合など)第18話「岐路」が5日、放送され、波乱に満ちた人生を送った藤原道兼(玉置玲央)が、35歳の若さで病死した。道兼は本作の前半戦を牽引したキャラクターの1人で、その“退場”を受け、SNSに大きな反響が寄せられた。

平安時代を舞台に、「源氏物語」の作者として知られる紫式部(まひろ、吉高)の幼少期からの生涯と、「源氏物語」の執筆や権力者、藤原道長(柄本佑)とのかかわりを軸に描く波乱の一代記。

道兼は右大臣、摂政を歴任した兼家(段田安則)の次男で、兄の道隆(井浦新)にすべてがかなわず、父の愛情に飢え、その苛立ちの矛先が弟の道長に向くこともあった。若いころは、ある事故をきっかけに逆上し、第1話(1月7日放送)で、幼いまひろの目の前で彼女の母、ちやは(国仲涼子)を斬殺。兼家の力でこの一件はもみ消されたが、以降、一族の汚れ仕事一切を押し付けられてきた。先代の花山天皇(本郷奏多)を退位させる謀略では、天皇の懐に入り込んで夜陰に乗じて密かに出家させる役割を果たし、兼家の摂政就任に大きく貢献したが、老いを自覚した兼家は後継者に道隆を指名。この決定に道兼は猛抗議し、その後、互いの黒い過去を暴露し合う口論となり、最後は「この老いぼれが…とっとと死ね!」と吐き捨てた。兼家の没後も喪に服さず、自暴自棄になって自堕落な生活を送っていたが、道長の粘り強い励ましで立ち直り、自ら進んで疫病対策に奔走。この日の放送で、道隆亡き後、ようやく宿願だった関白職に就いた。しかし、感染していた疫病が悪化し、就任の儀式の最中に昏倒。そこからわずか7日でこの世を去った。

関白就任から死までの急展開に、視聴者はビックリ。SNSには「兄上えええええええっ(号泣)」「35歳…」「なんて一瞬の栄華なんだ…」「うそ! こんな終わり!? 嫌やー!」といったコメントが殺到した。「一話の時はとんだ糞野郎だったのにな…」「道兼でこんなにストーリー引っ張ると思わなかった初回」「汚れ仕事ばかりだった道兼がついに関白に」「まさか、道兼に順番が回ってくるとは」「最後はよき兄となったか」など、初回の暴挙から兼家配下での暗躍、跡目をめぐっての決裂と絶望、そしてどん底から復活し、別人のように徳のある人物として志なかばで死んでいく波乱の人生に思いをはせるドラマファンも散見された。

一方、玉置の演技とその存在感を絶賛する視聴者も多く、SNSには「見事な最期でした。私の中では前半戦のMVP道兼くん。玉置玲央さんお疲れさまでした(涙)」「道兼があんなにも澄んだ瞳と佇まいになるとは」「玉置玲央さん素晴らしかった」「複雑な役どころをよく演じられた」「もう会えないと思うとさみしい」「まだまだ出て今年の大河を支えてほしかった」といった感想も。早くも「道兼ロス」が広がっている。