NHK連続テレビ小説「虎に翼」の第30話が10日、放送され、ヒロインの学友、山田よね(土居志央梨)が、不合格となった高等試験(現在の司法試験)の口述試験を振り返るシーンがあり、視聴者からさまざまな反響が寄せられた。

日本初の女性弁護士で、のちに裁判官になった三淵嘉子さんの人生をもとにした物語を描く「虎に翼」。女優、伊藤沙莉が主人公の猪爪寅子を演じている。ドラマはこの日が第6週「女の一念、岩をも通す?」(第26〜30話)の最終日で、日本初の女性弁護士となった寅子の家を学友のよねが訪問。寅子の前で「完ぺきだった」という口述試験を振り返った。

よねは女性の社会進出に熱い信念を持ち、常に男装しているが、口述試験で面接官から「それで君、弁護士になってもそのトンチキな格好は続けるのかね?」と確認されていた。この言葉によねは「トンチキなのはどっちだ。はっ?」と激怒。「あんたらの偏見をこっちに押しつけるな!」と反論していた。よねの心情を察した寅子は言葉を失ったが、よねは「私は自分を曲げない。曲げずにいつか必ず合格してみせる」と約束。寅子は目に涙をためながら強くうなずいた。よねは、帰り際、祝賀会には出席できないと詫びたが、寅子に背を向けながら「それと言うのが遅くなったが…おめでとう」と祝福。いつものように早足で帰っていった。

第13話(4月17日放送)では、よねの壮絶な過去が明かされていた。よねは、農家の次女として生まれ、女性であることから家事や年下のきょうだいの世話など忙しく働き、女郎として身売り先が決まったことをきっかけに故郷から逃走。女をやめ、男装するようになった。彼女の身なりは覚悟の表れだ。この日、X(旧ツイッター)では「よねちゃん」がトレンドに入り、「「ブレない、自分を曲げないよねさん」「自分の生き方を貫くのカッコいいなあ」「ステキだよ、その生き方」「よねさんの気持ちすごくわかる(号泣)『私は自分を曲げない』」などのエールが続々。この描写に「よねちゃんのままで合格できる世界であれよ」「明るい未来が来てほしい」と願う視聴者も目立った。

一方、このままよねが「退場」してしまうことを心配する視聴者が多いなか、この日放送された第7週の予告によねの姿があったことで、「来週もよねちゃんに会える」「退場しなくてよかった!」と喜ぶ人もいた。