NHK連続テレビ小説「虎に翼」の第28話が8日、放送され、主人公の猪爪寅子(伊藤沙莉)が、書生の佐田優三(仲野太賀)に変顔をして緊張をほぐすシーンに、視聴者から大きな反響が寄せられた。

日本初の女性弁護士で、のちに裁判官になった三淵嘉子さんの人生をもとにした物語を描く朝ドラ「虎に翼」。現在、第6週「女の一念、岩をも通す?」(第26〜30話)が放送されており、明律大法学部を卒業した寅子たちが、猪爪家に下宿する優三たちと高等試験(現在の司法試験)に臨んだ。寅子にとっては2度目の受験で、当日の朝、母のはる(石田ゆり子)は忘れ物を心配。寅子は「安心して。もう三度も確認したから」と返し、一緒に受験する優三に「ねっ」と声をかけた。優三は、お腹を押さえながら目をつぶり、ただうなずくのみ。父の直言(岡部たかし)は、優三がお腹を下す音を聞き、まずトイレに行くよう勧めた。

試験会場についても腹痛が治まらない優三。寅子は優三に声をかけ、目を見開き、口元を伸ばして変顔を披露した。「今、あんまり人に見せない方がいい顔をしてたよ」と声を上げて笑う優三に、寅子は何度もうなずきながら「緊張したら今の私の顔、思い出してください」とほほ笑んだ。寅子の言葉に安堵の表情を浮かべた優三は気を取り直して、試験に向かった。

猪爪家に下宿しながら、昼は帝都銀行で働き、明律大の夜間部に通いながら弁護士になることを目指している優三。しかしなかなか試験を突破できず、緊張すると、お腹を壊してしまう。大事なこの日もいつもの悪い癖が出てしまったが、そんな彼に優しく接する寅子に多くの視聴者がほっこり。X(旧ツイッター)には「優三さんのために変顔してくれる寅ちゃん優しい」「2人の間に流れる空気は家族だ」などの感想が寄せられた。

この日の放送で、寅子の学友である崔香淑(ハ・ヨンス)と桜川涼子(桜井ユキ)が受験を断念し、大庭梅子(平岩紙)も受験会場に来ないという不穏な展開が続いたため、「唯一の癒し」「きょうは優三さんの笑顔だけが救い」といった声も。また腹痛を繰り返す優三に「ストッパを差し入れしたい」とつぶやく視聴者もいた。