5月13日、MotoGP第5戦フランスGPの予選がブガッティ・サーキットで実施された。スプリントレース、決勝レースのポールポジションを獲得したのは、フランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)だった。

 ブガッティ・サーキットはグランプリ2日目に雨に見舞われてしまった。ただMotoGPの予選前フリープラクティス時には雨もあがっており、予選開始時にはコースも大部分が乾いてドライコンディションとなった。

 初日総合タイムによる予選Q1とQ2の振り分けでは、母国戦のファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)がQ1からスタートに。また中上貴晶(LCRホンダ)も、Q1からの予選開始となった。

 予選がスタートすると、母国戦に集ったファンからの声援を背にクアルタラロがコースイン。初回アタックでは1分31秒366を記録して、暫定トップに立つなど順調に予選をスタートさせた。

 そして久しぶりの予選Q1スタートとなったルカ・マリーニ(VR46)がそのクアルタラロに次ぐタイムとなる1分31秒767をマーク。クアルタラロまでは0.4秒とQ1前半時点では大きく差がついた状態となった。

 Q1後半のアタックが始まると、マリーニが自己ベストを更新。しかし更新幅は僅かなもので、クアルタラロには届かなかった。そんなマリーニを蹴落としたのがアウグスト・フェルナンデス(GASGAS)。1分31秒343をマークし、ラストアタックを前に一気に暫定トップに浮上した。

 Q1のラストアタックではこのフェルナンデスやクアルタラロ、マリーニらを始めとする多くのライダーが最速タイム更新ペースを発揮。誰がQ2進出となるかは最後まで分からない状態だった。

 そして最終的に、マリーニが1分31秒268を記録してトップタイムを更新。フェルナンデスが2番手になりQ2進出を決めた。

 クアルタラロは後半セクターが伸びず自己ベストを更新できず、最後に3番手に滑り落ち母国戦の予選Q1敗退という結果に終わった。母国戦でのこの結果には、ファンだけではなくクアルタラロ本人も頭を抱えるなど、落胆する様子を見せた。

 中上は4番手でQ2進出ならず。決勝レースを14番手からスタートすることになる。

 予選Q2では、マーベリック・ビニャーレス(アプリリア)が快調。アウトラップ後の計測1周目から1分31秒588を記録し、2周目には1分31秒256までタイムを縮めた。また初日総合トップタイムだったジャック・ミラー(KTM)も僅差でビニャーレスに続いた。

 ホルヘ・マルティン(プラマック)が1分31秒219で暫定トップを更新したかと思えば、今度はビニャーレスが1分31秒120でそれをさらに更新と、激しいアタックが続いた。

 また今回が復帰戦のマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)が1分31秒204を叩き出し、Q2を2番手で折り返すという、驚異の速さを見せた。

 好調なビニャーレスだったが、Q2後半の出走時にエンジン関連のマシントラブルが発生。幸いピット出口でバイクを止めたため、なんとかピットに戻ることができた。その後ビニャーレスは再出走を果たしたが、既に残り時間は2分とギリギリのタイミングだった。

 ラストアタックまでビニャーレスの暫定トップタイムは維持されていたが、全開のアタックが始まると最速タイム更新ペースを見せるライダーも多かった。中でもマルケスが1分30秒763を単独アタックで叩き出し、暫定トップに立った。

 このままマルケスが復帰戦でポールポジション獲得かと思われたが、バニャイヤがラストアタックで会心の走りを見せ、マルケスのタイムを0.058秒と僅かながら上回り、今シーズン初のポールポジションを獲得した。

 2番手はマルケス。3レースを欠場し復帰直後ながらも、現役最多王者らしく見事なアタックを見せた。3番手はQ1を突破してきたマリーニだ。

 マシントラブルにより時間を失ったビニャーレスは、その後タイムを更新できず6番手で予選を終えた。チームメイトのエスパルガロはQ2後半に転倒があり、ピットでメディカルセンターのスタッフによる診察を受けている。

 なおクアルタラロと同じく母国戦のヨハン・ザルコ(プラマック)は、9番手となった。