【MotoGP】中上貴晶「コケない為には遅くするしか無かった」転倒祭りのホンダ、フロントとリヤのバランスに問題?
フランスGPではマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)が表彰台を争ったものの、残り2周で転倒。チームメイトのジョアン・ミル、LCRホンダのアレックス・リンスも転倒でレースを終えており、ホンダ陣営は中上が唯一の完走だった。
その中上も、レースではクラッシュの可能性を感じており、完走するためにはスピードを犠牲にしなくてはならなかったと明かした。
「難しかったですね」と、中上は言う。
「今回のレースペースや、バイクのフィーリングといったパフォーマンスには満足できていません。1周目からブレーキング時のフロントエンドのフィーリングが無く、バイクを止められませんでした」
「リヤに押されてしまうんです。もしアタックし続けていたら、転倒は確実だと僕も理解していました。最終的には幸運にもトップ10でした。ただ感触はとても悪かったですね。それが今回のレースのフィーリングです」
リヤにフロントが押されてしまうと語る中上だったが、チームメイトのリンスも同様のフィーリングに悩まされたと語っている。
「コーナリングしていく時、リヤがフロントを押してくる感覚があった」と、転倒時の状況について尋ねられたリンスはそう語った。
「その前のラップの時点で、もう限界に来ているようだった」
「ライン上でブレーキを少し頑張ったら、曲がったところですぐにフロントを失ってしまった。ターン9や11、ターン12でも週末を通じて問題があったんだ」
「情報を手に入れて、今後のためにどんな取り組みができるか様子を見てみよう」
中上はリンスのクラッシュを確認した後、同じように転倒することを避けるためにスピードを緩めざるを得なかったと語っている。
「僕らは同じようなタイムとペースだったんですが、彼がターン9でクラッシュしたのを見た後、もし同じようにしていたら、僕も転んでしまうだろうと感じました」
「アレックスのクラッシュ後、僕は限界スレスレでのライディングをしないように試みました。レースですからスピードは落としたくないですし、攻めたいと思っています。でもそれが現状だったんです」
「アタックしていれば限界で走ることになります。フロントエンドとリヤグリップの状況を変える必要があります。レースではフロントエンドが非常に厳しかったです」
なおホンダはフランスGPでカレックス製の新シャシーを投入。マルケスとミルがこれを使用した。一方でLCRホンダのふたりは従来型のシャシーを使用している。
そのため、中上は次戦イタリアGPでカレックス製シャシーを使用できることを期待しており「ホンダに聞いてみます」と語った。