トヨタの豊田章男会長が、ル・マン24時間レースを主催するACO(フランス西部自動車クラブ)のプレスカンファレンスに出席。その中で、将来の参戦を見据えた水素エンジン搭載のコンセプトカー『GR H2 Racing Concept』を発表した。

 会見に出席した豊田会長は、ル・マン24時間レースが100周年を迎えたことに対する祝辞と「レースを通じてクルマを鍛えさせていただいた」ことへの感謝を述べた。そして、水素エンジン車両でル・マン参戦を目指すと宣言した。

 これは、2026年からル・マン24時間レースに燃料電池車と水素エンジン車が参戦可能になると発表されたことを受けての動きだ。

 5月27日、富士24時間レースに来場したACOのピエール・フィヨン会長が記者会見に出席し、「2026年は、ル・マンでハイパーカーと同レベルの水素カテゴリーを設ける。(水素カテゴリー車は)ハイパーカー同様に優勝のチャンスが与えられる」と言及していた。

 トヨタはこれまで、スーパー耐久に水素エンジンを搭載したカローラで参戦。モータースポーツという厳しい環境で技術を鍛えると共に、業界内外の仲間と共に水素を「つくる」「はこぶ」「つかう」取り組みを加速させてきた。

 今回の会見で発表された『GR H2 Racing Concept』は、会場内でも展示公開された。全体的にはトヨタのLMH車両であるGR010に近い印象を受けるが、特にフロントフェイスはトヨタの市販車に近いデザインが採り入れられている。

 GR H2 Racing Conceptは全長5100mm、全幅2050mm。水素エンジンにハイブリッドシステムを組み合わせると発表されている。