FIA F2の第3ラウンド、メルボルン戦のフィーチャーレースが行なわれ、アイザック・ハジャー(カンポス)が優勝。前日のスプリントレースに続き、2戦連続でのトップチェッカーとなった。また、宮田莉朋(ローディン)も2日連続での5位となった。

 ポールポジションにつけたデニス・ハウガー(MPモータースポーツ)は抜群の蹴り出しを見せてホールショットを決め、そのまま逃げの体制を築くかと思いきや、プレマのアンドレア・キミ・アントネッリがオーバーテイクし、1周目を先頭で終える形となった。ただハウガーも諦めず、続く2周目にオーバーテイクをやり返し! 先頭が目まぐるしく入れ替わる展開となった。

 3番手には5番グリッドからスタートしたゼイン・マローニ(ローディン)が続く状況。なお後方からスタートしたオリバー・ベアマン(プレマ)やヴィクトー・マルタンス(ARTグランプリ)らが、一気に順位を上げた。

 タイヤ交換義務を果たすことができる6周目を迎えようという頃になると、スーパーソフトタイヤでスタートしたマシンはグリップに苦しみ始める。これは上位勢も例外ではなく、3番手を走っていたマローニや追い上げを見せていたマルタンスらが、コースオフしかけて順位を落とすシーンが目立った。またジョシュア・デュルクセン(PHM)がコースオフしたことでバーチャル・セーフティカー(VSC)が出動した。

 ただFIA F2では、VSC中にタイヤ交換をしても義務を消化したことにはならないため、ほぼ全車がステイアウトした。

 9周目からレースが再開されると、クシュ・マイニ(インヴィクタ)がハウガーを攻略。ハウガー以下、多くのマシンがこの周回を終えた段階でピットになだれ込んだ。

 ただコースに戻った直後のハウガーがクラッシュ! どうもリヤタイヤがうまく装着されていなかったようだ。これで再びVSCが宣言された。

 ここでピットに入ったのがアイザック・ハジャー(カンポス)や宮田など。ただVSC中にはタイヤ交換義務が消化できないことになっており、実に微妙なタイミングであった。なおVSCが宣言された時にピットエントリーに進入していれば、タイヤ交換義務の消化が認められることになる。

 16周目からレース再開。マイニは依然としてタイヤ交換せずに逃げの体制を作った。その後方のファン-マヌエル・コレア(DAMS)やジャック・クロフォード(DAMS)らもタイヤ交換をしておらず、苦しい展開に追い込まれた。タイヤ交換を済ませたマシンの中で先頭は4番手のハジャー。7番手ポール・アーロン(ハイテック)や8番手アントネッリも、タイヤ交換を済ませた組だった。

 残り10周を切ると、タイヤ交換を済ませていないドライバーの中にはペースダウンする者も出てきた。

 ただ3番手を行くクロフォードは抜群のペースを持っており、チームメイトのコレアを28周目にパスすると、先頭のマイニを追いかけていった。

 31周目、クロフォードがマイニをオーバーテイク。ついに先頭に立ったが、その直後に2台は揃ってピットインせざるを得ず、入賞圏外へと落ちた。

 これで先頭に立ったのはハジャー。2番手アーロン、3番手マローニという状況。5番手宮田も終盤ペースを上げ、前を行くアントネッリを追った。

 結局ハジャーが、前日のスプリントレースに続きトップチェッカー。2位にアーロン、3位にマローニが入った。宮田は最後アントネッリとの差を0.6秒まで縮めたが、攻略には至らず、5位でフィニッシュした。

 なおレース後になっても、ハジャーや宮田らがVSC中にタイヤ交換を行なったという公式情報は出ていない。そのため、前日はペナルティで勝利を逃すことになったハジャーは、今回こそ勝利をしっかりに掴んだようだ。また宮田も、タイミングに恵まれたという側面もあったが、2レース連続での5位を手にした。