ローラとヤマハ発動機が、フォーミュラE規格のパワートレインを供給開発について技術提携を行なうことを発表した。ローラのモータースポーツ・ディレクターを務めるマーク・プレストンは、2025年シーズンからの参戦を目指すとしつつも、チーム運営に乗り出すことはないと語った。

 3月28日に発表された、ヤマハとローラの技術提携。これによりヤマハは、フォーミュラE規格のパワートレインをローラに開発・供給し、フォーミュラEに参戦するチームに供給することになるという。

 ローラのプレストンは、このヤマハと共同開発したパワートレインを、2024-2025シーズンにデビューさせる予定であることを明かした。しかしローラがチームとして参戦するわけではなく、あくまで既存のチームへの供給という形になるようだ。

「我々は、既存のレーシングチームと提携することになる。それについては、今週末以降に発表することになる」

 そうプレストンは語った。

「歴史的に見ても、ローラはレーシングチームを運営するわけではない。だからシーズン11では、既存のチームと提携することになる。それは今後数週間以内に発表する予定だ」

「ヤマハとは、かなり長いこと話し合ってきた。関係を築き、計画を立てるのに時間がかかったんだ。少なくとも18ヵ月は、この設計のためのプロジェクトに取り組んでいる」

 ローラはレーシングカーのコンストラクターである。しかし今のフォーミュラEのシャシーはワンメイクであり、ローラが設計したシャシーで参戦することはできない。

 ではローラとヤマハはどんな仕事をするのだろうか?

「我々はフォーミュラEにおいて豊富な経験を持っている。当然のことながら、全ての要素を率いる上で役に立っているはずだ」

「我々はソフトウェアの面を主導し、ヤマハはモーターとインバーターの部分を主導している。密に協力しているんだ」

「そして超高効率のギヤボックスがあり、その周りのパッケージ、潤滑剤、ありとあらゆるモノの開発に取り組んでいる。パワートレインと一言で言っても、現代の電動パワートレインには、非常に多くの要素があるんだ」

 プレストンは、かつてスーパーアグリF1の立ち上げに携わるなどした。しかもフォーミュラEの創設時に参戦していたアムリン・アグリも率いた人物。そのため、日本の企業と働くのに問題はなかったとも明かした。

「幸運にも私は、F1でブリヂストンやホンダと仕事をすることができた。日本と働いた経験はあるので、彼ら(ヤマハ)と働くのは難しくはない。日本にやってくるのは大好きだしね。最高だよ」

「私はシーズン1からフォーミュラEに参加しはじめた。フォーミュラEでの経験は豊富だ。そしてローラにもそういう人物がいる、我々はフォーミュラEにおける良い経験を手にしているため、この知識をヤマハとのパートナーシップにも活かしたいと思う」