F1日本GPのフリー走行1回目で、RBのマシンを駆ってF1公式セッションデビューを果たす岩佐歩夢が、東京・六本木の六本木ヒルズアリーナで行なわれた『F1 Tokyo Festival』のトークショーに登場。F1マシンで初めて鈴鹿サーキットを走ることについての想いを明かした。

 岩佐は昨年末のアブダビテストで、F1マシンを初めてドライブ。今季はスーパーフォーミュラに参戦しながら、レッドブルとRBのシミュレータドライバーを担当している。

 その岩佐はRBのマシンを駆り、F1日本GPのFP1を走行することとなった。岩佐がF1の公式セッションに挑むのは、これが初めてということになる。

 この走行の実現には、ホンダの後押しもあったようだが、鈴鹿サーキット・レーシングスクール(現ホンダ・レーシングスクール鈴鹿)出身の岩佐にとっては、まさに凱旋という形になろう。

「電話で知らされました」

 日本GPのFP1で走ることを、電話で知らされたという岩佐。当初日本GPの際にはイギリスでシミュレータドライブを担当する予定であり、鈴鹿に来ることができるかどうかすら定かではなかったというが、一転して実車を、しかも走り慣れた鈴鹿サーキットを走ることになった。

「ワクワクしています。昨年の日本GPの際にはレッドブルに帯同していたので、鈴鹿を走る迫力と、ファンの皆さんの盛り上がりは分かっています。それを、少しずつ実感し始めました」

「ガンガン攻めていくようなプランにはならないと思います。でもある程度のスピードで走って、チームのためにデータを集めるようにしたいです」

「初めて走る時には、クルマを壊しちゃいけないので、5秒とか遅れることもあると思います。僕は差を考えずに、自分ができる最大限のことをしたいと思います」

「シミュレータでできていることを、しっかりと実車でもできるようにしたいです」

 岩佐にとって今回のFP1走行は、自分の目標に向けた第一歩とも言える。その目標について、岩佐は改めて次のように強く語った。

「僕はトップに居続けたいと思っています。チャンピオンになって、そこに居続ける……1回だってチャンピオンになるのは大変ですが、そこに居続けられるようにしたいです。そのためにも、ひとつずつクリアしていかなきゃいけません」

「速いのは当たり前です。でも、どんな状況でもパフォーマンスを発揮できるか、常に最大限を出せるかが重要だと思います」

 F1マシンで鈴鹿を初めて走ることについて岩佐は、次のように期待感を語った。

「鈴鹿って、世界一楽しいサーキットだと思います。もちろん難しいですが、その難しさが楽しさに変わるんです」

「高速、中速、低速、そして逆バンクと、ありとあらゆる種類のコーナーがあります。どこまでいっても、詰められる部分があるんですよね」

「まず、僕が感動しちゃうと思います。全コーナーにファンの方々がびっしりといるというところで走ったことがないので、そこがすごく楽しみです。僕が手を振りたいんですけど、テストがあるので……しっかり集中して、走りでお見せできればと思います」

「FP1出走というのはひとつのステップ、この先に行かなきゃいけないという気持ちが強くなると思います。しっかりとパフォーマンスして、吸収して成長できる1日になると思います」