2024年、D'station RacingがスーパーGT・GT300クラスに久々に復帰する。ドライバーはお馴染みの藤井誠暢に加え、アストンマーティンのファクトリードライバーであるマルコ・ソーレンセンがラインナップされた。

 WEC(世界耐久選手権)にも参戦しているソーレンセンは、3月上旬にもてぎで行なわれたアストンマーティンGT3 ヴァンテージEvoの初走行は欠席したものの、岡山と富士で行なわれた公式テストに参加。模擬予選については岡山で9番手、富士で3番手とまずまずのパフォーマンスを見せた。

 スーパーGTの印象について尋ねられたソーレンセンは、ダンロップが供給する様々なタイプのタイヤに慣れることが大きなチャレンジになると語る。スーパーGTはWECと違い、複数メーカーによるタイヤ戦争が行なわれている、今や世界でも稀なカテゴリーなのだ。

「ここまではすごく楽しめている」とソーレンセンは言う。

「もちろん学ぶことはたくさんある。色々なセットのタイヤ、コンパウンドを覚えないといけない。タイヤ戦争の中では、舞台裏でそういった色々なことがあるんだ」

「(想像とは)かなり違っている。(チームとしては)既にスピード感を持ってやれているとは思うけど、僕としては色んなタイヤコンパウンドを理解することが重要だ」

「たくさんの種類の中からタイヤを選ぶというのは簡単ではないけど、楽しいね。(WECの)GTE Pro時代を思い出す。ダンロップのように、タイヤメーカーが側にいてサポートしてくれて、色んなことを話し合うんだ」

 またソーレンセンはスーパーGTのタイヤについて、2スティント連続で使用する“ダブルスティント”が基本ではない点がWECと違うと指摘する。最近ではブリヂストンタイヤユーザーで時にタイヤ無交換作戦が見られるが、ダンロップは1周のパフォーマンスの方が優れていると言われる。

「色々な違いがあって、一番は1周のグリップが(スーパーGTは)大きいということだ。彼ら(ダンロップ)はそこに焦点が合っている」

「グリップのあるタイヤを履くというのはドライバーとして素晴らしい経験になるけど、(ペースの)落ちも大きい。興味深いし、できるだけ多くのことを学ぼうと毎日楽しんでいる」

 またこれは多くの外国人ドライバーが初来日時に口にすることでもあるが、ソーレンセンはテストにもかかわらず多くのファンが来場したことにも驚かされたという。

「特に岡山は天気が良かったこともあってか、正直レースウィークエンドに来たのかと思うくらいで、とても良いものを見た気分だった」

「WECのクルマの写真を持ってきてくれるファンがこんなにいるなんて想像できないよ。こんなに多くの日本のファンが見に来てくれるのは素晴らしいことだ」

 そんなソーレンセンは日本をかなり気に入っている様子で、WECやGTワールドチャレンジ・ヨーロッパなど、他のレース活動との都合がつく限りはできる限り日本で過ごしたいと語った。

「何度も言っているけど、僕は日本が大好きなんだ。こっちに来てフリーな時間があったのは最高だった」

「問題なのは、僕が他のレースにもかなり出ていることだ。(スーパーGT)最初の数レースはあまり時間が取れない。でも8月末(のスーパーGT戦の後)からはゆっくりできるだろうし、1ヵ月くらいは過ごせそうだ。その後にはWEC富士もあるし、他のレースはなさそうだからね」