アストンマーティンF1との契約延長を発表したフェルナンド・アロンソは、40歳を超えても現役を続けることについて「ドライビングが好きすぎる」と語った。

 アロンソとアストンマーティンの契約延長期間は複数年。少なくとも2026年までは同チームのマシンを走らせることになった。

 2026年にはホンダがアストンマーティンにパワーユニット(PU)の供給をスタートさせる年。アロンソとホンダが、再び共に手を取り合って戦うことになるわけだ。アロンソはこのことについて「ホンダと一緒に働くのは、とても重要なことだった」と語っている。

 気になるのは年齢的な問題だ。アロンソは現在42歳。ホンダのPUを走らせる時には44歳になっている。近年のF1では、40歳を超えて現役を続けるのは稀である。しかしアロンソは、歳を重ねてもその情熱は衰えないと語った。

「僕はドライブするのが好きすぎて、今は辞められないと感じたんだ」

 この年齢になっても現役を続けることは、自分にとって驚くべきことかと尋ねられたアロンソは、そう語った。

「僕が払わなければいけない犠牲は、ドライブする喜びやドライブに対する情熱よりも小さいと思う。だから僕はF1を呼吸し、F1と共に生き、F1マシンをドライブできるようにトレーニングし、F1マシンをドライブできるように食事している。ライフスタイルを変える必要があると感じた瞬間はなかった」

「僕のライフスタイルは素晴らしいと思う。自分がやっていることを愛している。だから、家でF1のレースを観戦しているなんて、満足できない。僕は、現時点ではまだそこにいるべきだと思っているからね」

「ここでもう少し良くできる、あそこももう少し良くできる……あの条件なら速くできると思っているからだ」

 家族のことが最大の懸念だと言うアロンソ。しかしそれも、なんとか解決しようとしているという。

「最大の懸念、あるいは現役を続けることでの悪い面は、家族と会えないこと、そしてある時点で自分の生活や家族を手放す必要があるということだ」

「この点に関しては、『分かった、年ごと、月ごとに見てみよう』と言った。家族とも話したけど、今後は家族が、もっと頻繁にレースに来てくれるようになるだろう。母、妹、ふたりの姪……全員が今はマイアミに来ている」

「つまりレースを続ける上の懸念について、恋しいモノについていくつか変更することを決め、計画している。僕らは皆、そういう結論に達すると思う」

 引退することが頭をよぎったことはなかったかと尋ねられたアロンソは、次のように語った。

「引退のことは、一度も考えたことはなかったと思う。何より、F1を辞めたらダカールか何か、他のレースをすることになると思う。僕としては、ハンドルを握れない人生について真剣に考えるのはとても難しい」

「それは決して起こらないと思う。少なくとも、近い将来にはそういうことはないと思う」

「来年もレースを続けるということについて、99%の自信があったと思う。だから、引退するという選択肢はなかったんだ」