スーパーGTの2024年シーズン開幕戦岡山300kmレースのGT500クラスで、100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)が3位に入った。昨年まではNSX-GTを使っていたホンダ勢だったが、今季からは車両をCIVIC TYPE R-GTに一新。その最初のレースで表彰台を獲得した格好だ。

 これについて山本はレース後、39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)を追い詰めつつも攻略できなかったことを悔しいとしながらも、まずは3位に入れてホッとしていると語った。

 予選で3番グリッドを獲得した100号車STANLEY。レース序盤には38号車KeePer CERUMO GR Supraに先行されるシーンもあったものの、ピットストップで逆転。山本にドライバーが変わった後は、39号車DENSO、100号車STANLEY、38号車CERUMOの3台が接近戦を繰り広げることになったが、この集団から38号車CERUMOがまず脱落。100号車STANLEYは最後まで39号車DENSOにプレッシャーをかけ続けたが、ついぞ抜くことはできず、3位でフィニッシュした。

「ペース的には自分の方が良さそうに見えました」

 山本はレース後にそう語った。

「最初は38号車も後ろから来ていたので、僕は挟まれるような格好となってしまい、楽ではないなと思っていました。ただ38号車のペースが落ちて39号車との勝負になった後、ここは抜きどころが少ないので、一発で仕留めなきゃいけないというのはわかっていたんです」

「タイヤのコンディションに気を遣っていました。ピックアップが付かないように、付いてしまったらすぐに取れるようにと考えて走っていました。2回大きなチャンスがあったんですが、それをモノにできませんでした」

「悔しさもありますが、3位になれてホッとしている部分もあります」

 山本曰く、テストではロングランに不安を抱えていたのだという。そんな中でも3位を手にできたことは、今後に向けた好材料と言えそうだ。

「今日は単走でのペースはかなり速かったので、そこは良かったと思います」

 そう山本は言う。

「テストの時は、僕らはロングランが辛かったんですよ。でも今回は予選で3番手になれたし、決勝でも単走ではペースが良かった。改めてこのチームの力、エンジニアリングの力を確認できました。ピット作業も完璧で、それが原因で38号車の前に出られたことで表彰台に繋がりました。メカニックの皆さんも頑張ってくれたし、チームで勝ち取った3位かなと思っています」

 なお山本曰く、39号車DENSOを抜けなかったのは、NSX-GTからCIVIC TYPE R-GTに車両が変わったことではなく、レギュレーションが変わったのが原因ではないかと考えているようだ。

「シビックだからというか、レギュレーションが変わったことで、抜き辛くなっているのかなと思います」

「元々抜きづらいサーキットですが、今回は前のマシンに近付くと、エアロがなくなってしまって前に出られなかった……フォーミュラカーのようなレースになってしまいました」

「300やトラフィックを利用して前に出られなかったのは、ドライバーとしては悔しいです。もちろん、3位より2位の方がいいですが、4位ではなく3位で終われたので、そこは良かったです」

 なお山本としてはスーパーGTでは昨年SUGOでの怪我からの復帰戦。チームメイトの牧野も、体調不良の影響で公式テストに参加できず、今回が復帰戦と言える。そんな中でも今後に繋がるレースができたと、山本は安堵する。

「僕は怪我してからの復帰戦になりますし、牧野選手も病気から戻ってきていきなりの表彰台です。彼は、公式テストも乗らずに今回のレースということになりますから、かなり大変だったと思います」

「そんな中でもふたりで良いレースができたと思いますし、次に繋がるレースができたと思います」