MotoGPスペインGPのスプリントレースは、23番手から追い上げたヤマハのファビオ・クアルタラロが3番手でチェッカーを受けたものの、タイヤ内圧の違反で8秒のタイム加算ペナルティ。5位に降着となった。

 クアルタラロは、ウエットコンディションで行なわれた予選でQ1を13番手で終えた。そのため、スプリントレースを自己ワースト23番手からスタートしたのだが、ドライコンディションとなったスプリントレースでは序盤からセンセーショナルな反撃を見せた。

 オープニングラップで11番手に浮上したクアルタラロは、早々にポイント圏内に浮上。レース後半には転倒が相次いだことで、3番手に浮上した。

 KTMからワイルドカード参戦したダニ・ペドロサを0.050秒差で交わしたクアルタラロは、昨年10月のインドネシアGP以来となる表彰台を獲得した、はずだった。

 しかしその後、クアルタラロはタイヤの最低内圧規定違反が見つかり、8秒のタイム加算ペナルティを受けた。

 これにより、クアルタラロは5位に降着。代わってペドロサが3位に繰り上がり、2017年のバレンシアGPで優勝して以来の表彰台獲得となった。

 クアルタラロは今シーズン、最低内圧規定違反でペナルティを受けた最初のライダーとなった。

 昨年導入されたこの規定は、2年目となる今年から、違反した場合のペナルティが失格となる予定だった。しかしこのルールは調整され、最低内圧を下回る状態でスプリントの30%以上、グランプリの60%以上を走行した場合のペナルティは、スプリントで8秒、グランプリでは16秒のタイム加算に変更された。

 クアルタラロが内圧をオーバーしたのは、フロントなのかリヤなのかはまだ確認されていないが、昨年のペナルティはすべてフロントの内圧によるものだった。

 ペドロサは、今回のレースについて、次のように振り返った。

「13番手くらいにつけていて、その時すでにファビオの後ろにいた」

「最初の2周で彼をすぐにオーバーテイクしたかったんだけど、クラッシュを目の当たりにして、次の周や他の周にも転倒があった」

「だから僕は『多分タイヤの準備がまだできていないし、コースもトリッキーだから、あまりプッシュしないほうが良いかもしれない』と思ったんだ」

「それで一歩一歩進んでいった。レース中ずっとファビオの後ろにいたけれど、2周か3周ごとに2人ずつ転倒していった」

「3人が転倒したときもあったし、またもうひとり……僕は自分のポジションが分からなかったんだ。僕はストレートでファビオをパスしようとしていたけど、そうするとピットボードが良く見えないんだ」

「だから最終ラップでは、自分たちが3番手か4番手にいるなんてわからなかった。6番手、7番手だと思っていたんだ」