マグヌッセン、4回のペナルティで合計35秒加算。”スポーツマンシップに反する行為”でも呼び出し「サウジアラビアと同じように、ニコを助けようとした」
マグヌッセンはF1スプリントを14番グリッドからスタート。ただ、スタート直後に起きた混乱をうまく潜り抜け、チームメイトで10番グリッドからスタートしたヒュルケンベルグに次ぐ8番手にポジションを上げた。
レース序盤、マグヌッセンはヒュルケンベルグのDRS圏内に入り、それを活かして後続のルイス・ハミルトン(メルセデス)らからの攻撃を凌いだ。
「僕はニコの後ろのとても良い位置にいた。レース序盤、かなりポジションを上げて8番手を走っていたんだ」
マグヌッセンはF1スプリント後にSky Sport F1のインタビューにそう語った。
「ニコのDRSをもらって良いペースを保てたので、ルイスからうまいことポジションを守ることができていた。でもニコがシケインをカットしてしまい、DRSを使えなくなってしまったんだ」
「ニコが再びそれを使えるようにしてくれれば、僕らは楽に7位と8位で終われたかもしれない」
DRS圏内から外れたマグヌッセンは、ハミルトンにとって格好の標的となった。しかしトップスピードが伸びるのが今年のハースのマシンの特徴。ハミルトンをもってしても、なかなかオーバーテイクできなかった。
しかしそれでもマグヌッセンの分が悪くなり、ハミルトンが猛攻。マグヌッセンはそれを凌ぐため、コースオフを繰り返すことになった。
「僕はルイスの脅威に晒されていた。それで、狂ったような戦いとなった」
そこでマグヌッセンは、後続を抑え、前を行くヒュルケンベルグをサポートすることに徹したのだ。
「ジェッダでやったようにギャップを作るしかなかった」とマグヌッセンは説明した。
「そういう”愚かな”作戦を採りはじめた。これは僕として好きな仕事じゃないけど、チームプレイヤーとしての仕事を果たしたんだ」
自らがハミルトン、そして角田裕毅(RB)を抑え込んだことで、ヒュルケンベルグがポイントを獲得できたとマグヌッセンは語った。
「ニコがポイントを獲得できたのは、僕がギャップを築いたからだ。ルイスと角田は、彼に追いつくことができなかったんだ」
「決して僕の好きなやり方ではないけど、今日の僕としては、それはしなければいけないことだったんだ」
結局マグヌッセンは、レース中にコース外を走ってアドバンテージを受けたとして、10秒のタイム加算ペナルティを科された。しかもそれが3回も。さらにその上、トラックリミット違反による5秒加算ペナルティも受けた。つまり合計35秒のタイム加算ペナルティを受けたわけだ。
さらにマグヌッセンは、国際モータースポーツ競技規則第12.2.1で規定されている「競技における公平性の原則の侵害、スポーツマンシップに反する行為、またはスポーツ倫理に反する方法で競技の結果に影響を与えようとする行為」に違反したとして、スチュワードの元に出頭するよう求められた。