F1にタイヤを供給しているピレリは、F1マイアミGPにC2〜C4コンパウンドのタイヤを持ち込んでいるが、決勝レースでは1ストップ戦略が主になると予想されている。カルロス・サインツJr.(フェラーリ)は、タイヤ選択が保守的すぎると考えているようだ。

 一方、予選ではいかにタイヤを労り、作動温度領域に留めるかがパフォーマンスを左右すると大半のドライバーが認めている。

 ツイスティなコース特性やグリップの低い路面、高い路面温度といった要素が重なり、マシンがスライドすることでタイヤがオーバーヒートしてしまうのだ。

「残念だけど、僕はこのグランプリのタイヤコンパウンドは少し保守的だと思う」

 そうサインツJr.は語った。

「もっとソフトなコンパウンドにすれば、もう少し戦略の幅が広がると思う。昨年と大きな違いはないと思っている」

 motorsport.comの取材に対し、フェルスタッペンもサインツJr.の意見に同意。「このタイヤはオーバーヒートしやすい」と指摘した。

「グリップが低いだけで、理由はどうあれすぐにオーバーヒートするんだ」

「彼らは保守的だと思うけれど、同時にすでにオーバーヒートしている」

「もっと2ストップや3ストップのレースを増やしてほしい。その方が1ストップよりもずっと楽しいと思う。(現状は)チームにとってもドライバーにとっても、それほどチャレンジングじゃないんだ」

「中国GPのように、2ストップが可能なレースでは、ピットウインドウの自由度が広がる。ピレリがそれを望むかどうかについては、ピレリと話さなければならないだろう」

 メルセデスのルイス・ハミルトンは、現行F1マシンのタイヤ作動領域の狭さに不満を漏らしており、17年間のF1キャリアの中で”最もフラストレーションのたまる”タイヤだとまで語った。

 ハミルトンはマシンのハンドリングがタイヤによってどのような影響を受けるかについて、「間違いなく、これまでのキャリアの中で、これほど小さなウインドウ(タイヤが機能する範囲)で仕事をしたことは記憶にない」と語った。

「正直なところ、それが最もフラストレーションのたまることだ」

「昔は作動ウインドウが広かった。それだとバランスを最適化できるし、1周を通してグリップがいいんだ」

「これは間違いなく、最も僕が好きじゃないところだ」