マイアミ・インターナショナル・オートドロームを舞台に熱戦が繰り広げられた2024年シーズンのF1第6戦マイアミGP。決勝日から2日経ち、5月7日(火)に発表された統計によると、今年のマイアミGPはアメリカ史上最多のF1中継視聴者数を記録したという。

 ABCの中継を通して、今年は平均310万人が視聴。マイアミGPが初開催となった2022年に記録した260万人を上回った。また視聴者数が210万人に落ち込んでいた2023年大会と比較すると、視聴者数は48%増加した。

 午後の遅い時間帯に開催されるマイアミGPは、時差の関係からヨーロッパやアジアからの中継視聴は難しい時間帯だが、アメリカ史上最も視聴された3レースとなるなど、アメリカでの視聴者獲得には有益であることは明らかだ。

 ESPNで放送されたマイアミGP大会2日目のスプリントは94万6000人の視聴者を集め、2021年にこのフォーマットが導入されて以来、スプリントとしてはアメリカで最多の視聴者数となった。決勝に向けた予選の視聴者数は62万5000人だった。

 マイアミGPに対するアメリカの関心が高まったことは、F1の放送パートナーにとっては朗報だろう。

 バーレーンで開催された2024年シーズン開幕戦の視聴者数は、2023年の131万人を下回る112万人。第2戦サウジアラビアGPの視聴者数は前年比40%減の92万人で、2023年の152万3000人に及ばなかった。

 ただこの数字の落ち込みの一部は、レースが土曜日にESPN2で放送されたことに起因している。

 東部時間午前3時に放送された第5戦中国GPの視聴者数は62万6000人にとどまったが、2019年に開催された前回の中国GPの視聴者数26万8000人を大きく上回った。

 F1がマイアミGPの視聴者数を伸ばそうと画策する中、現地ではチケットが完売。27万人の観衆が詰めかけ、アメリカ市場におけるF1への強い関心が示された。

 RBのダニエル・リカルドは、マイアミGPがNFLのスーパーボウルに似た熱狂に包まれているように感じると語った。

「スーパーボウルと言うつもりはないけど、スーパーボウルの週末のような感じがする」とリカルドは言う。

「1週間まるまる、色々なことがある。スーパーボウルの週末ほどではないけど、イベントや人々の関心が高まり、僕らの週末もそうなりつつあると感じている」

「水曜日から始まっていて、レースを楽しみにする日曜日だけじゃない。本当に良い観客がいたし、若い人たちも多かったと思う。このスポーツが成長することは良いことだ」