筒香嘉智のベイスターズ復帰が決まりました。一時は巨人入りと報道され、昨季まで所属のエスコバーが「なぜベイスターズではないのか」と自身の『X』でポストするなど、ベイスターズファンからも落胆の声が聞こえていましたが、結局は元サヤということで落ち着いたようです。

一部では「復帰してもポジションがない」と懸念する声もありましたが、それを覆すことになった出来事も含めて、先週のベイスターズを振り返ってみましょう(成績は全て4月15日現在)。

◆先週の試合結果
・09日(火)●横浜DeNA 1-3 中日
・10日(水)●横浜DeNA 1-6 中日
・11日(木)試合なし
・12日(金)○横浜DeNA 3-1 東京ヤクルト
・13日(土)●横浜DeNA 2-5 東京ヤクルト
・14日(日)●横浜DeNA 0-9 東京ヤクルト

◆オースティン、右太腿裏肉離れで戦線離脱

今季は開幕から2番・ファーストで起用されていたオースティン。開幕戦でいきなり3安打猛打賞を記録し、阪神戦では自身2年ぶりとなる本塁打を放つなど、2021年に28本塁打をマークした強打の復活が期待されたが、10日の中日戦、3回に二塁打を放った際の走塁後に、脚を気にする様子を見せ、5回の守備から交代となった。

翌日に右太腿裏肉離れと診断され、三浦大輔監督は「まだ無理をさせる時期ではない」と出場選手登録を抹消させた。復帰までは1か月以上はかかる見込みで、打線の組み替えが余儀なくされる事態となったが、5シーズンぶりの復帰が決まった筒香が、この空いたポジションに当てはまることになりそうだ。

◆小園健太、一軍デビューは3回途中5失点で黒星

10日の中日戦で2021年ドラフト1位の小園健太がプロ初登板初先発。先発マスクを被った高卒2年目の松尾汐恩とのドラ1バッテリーで挑んだが、2回途中までに被安打7、5失点で降板して敗戦投手と悔しいデビューとなった。

初の一軍マウンドでは、初球の外角への146キロのストレート(ファール)から、最後は117キロのカーブで先頭打者の三好大倫を見逃し三振と順調な滑り出しだったが、続く田中幹也にはボールが先行して四球。高橋周平のセカンドゴロでダブルプレーが成立したと思われたが、リプレー検証で判定が覆って一塁がセーフになり、中田翔にも四球の後、細川成也のタイムリーで先制点を許した。

続く、2回も先頭の木下拓哉に安打を打たれ、村松開人、松葉貴大のバントがいずれも内野安打で満塁となり、高橋周のタイムリーなどで2失点、3回には投手の松葉にタイムリーを打たれて降板となった。プロ初黒星を「攻めの投球ができなかった」と反省した小園は翌日に登録抹消。バッテリーを組んだ松尾も14日にファームで打撃好調の戸柱恭孝と入れ替えで出場選手登録を外れた。

◆ドラ4ルーキー石上泰輝、攻守で存在感

今季の新人は度会隆輝ばかりに注目が集まるが、東洋大学からドラフト4位入団の石上泰輝も8番・ショートで開幕スタメンを勝ち取り、ここまでレギュラーポジションを確保している。

12日のヤクルト戦は無安打に終わったが、内野ゴロの走者入れ替わりで出塁した3回に、プロ初盗塁を決め、佐野恵太のタイムリーで先制点となるホームを踏んだ。翌日は第1打席で先制タイムリーを放ち、第2打席もチャンスを広げる二塁打で自身2度目となるマルチ安打を記録した。課題と言われた遊撃守備でも三遊間の深い位置の打球で好プレーを見せるなど、熾烈な遊撃手争いで一歩リードしている。

◆今週の度会隆輝(4月9〜14日)

チーム防御率1点台と12球団最強の投手陣を誇る中日相手に、9日は全て凡打で4打席無安打。続く、10日も第1・2打席と凡退したが、6回の第3打席に中日先発・松葉から四球で出塁すると、続く8回の第4打席では左腕の齋藤綱記からセンターへ、自身8打席ぶりとなる安打を放った。

カードが変わって12日からの東京ヤクルト戦では、初戦から二塁打、安打、安打と3安打猛打賞の活躍。4回には決勝打となる勝ち越しタイムリーを放った。守備でも見事なダイビングキャッチを披露し、開幕戦以来となったお立ち台では、すっかりお馴染みとなった「最高でーす」を連呼した。

13・14日はいずれも第1打席で安打を放ったが、5打数1安打、3打数1安打(1四球)で、打率.263と先週終了時から数字を上げた(成績は全て4月15日現在)。

文:大久保泰伸