山形県酒田市の土門拳記念館は来年4月、呼称を「土門拳写真美術館」に変更する。新たにロゴマークを作ることにし、デザイン案を8月20日まで公募している。

 1983年、日本初の個人の写真専門美術館としてオープンし、昨年40周年を迎えた。写真家として知らない世代にも分かりやすく、リアリズムとは違う価値観も提示し、他の写真家の作品も積極的に展示していくのが狙い。
 昨年21年ぶりに新館長に就任した佐藤時啓東京芸大教授の意向で、入場者減が続く館の再生を図る。市の条例上は「記念館」のままとし、玄関の銘板は変えない。ロゴマークの最優秀賞に30万円、佳作(2点まで)に5万円の賞金を贈る。
 土門は03年酒田市生まれ。生活打開のため一家で上京、海外向け雑誌社で写真家に師事した。リアリズムを追求し、戦後の報道写真の礎を築いた。同市初の名誉市民として市に作品を寄贈し、館が誕生した。