待ちに待ったスラッガーの復帰だった。米球界を経て5年ぶりに古巣横浜DeNAに帰ってきた筒香嘉智外野手(32)が20日のイースタン・リーグ巨人戦(横須賀)で初実戦に臨み、2打数1安打1打点をマーク。23日からの日本ハム戦(鎌ケ谷)3連戦も出場予定で、早期の1軍合流を目指す。若返りが進むベイスターズにあって、主砲がもたらす影響とは─。

 約5年ぶりに外野スタンドが開放された20日の横須賀スタジアム。筒香が3打席目に適時打を放つと熱気と大歓声に包まれた。「試合で振ったからこそ分かる感覚が久しぶりに体の中に入ったので非常に良かった」と本人の感触も上々だ。

 ベイスターズに復帰して約1週間。横須賀市夏島町の球団施設「DOCK」では自ら打撃練習用のケージを運び、率先してトンボを手にグラウンドの土をならす姿があった。若手時代に指導した大村育成打撃コーチが目を細める。「米国で苦労した中で培ってきたものがある。ああいう行動がスーパースターをつくっている」

 小学生の頃から筒香に憧れ、ベイスターズの25番のユニホームを着て地元のナゴヤドーム(現バンテリンドーム)に通っていた育成の新人小笠原は「一緒のグラウンドでプレーできるなんて1ミリも考えていなかった」と驚きを隠さない。20日の試合は自身も六回に「プロ初安打」を記録した。

 五回で途中交代した筒香に見せることはできなかったが、翌朝には「ナイスヒット」と声をかけられたという。「ずっと筒香さんを見てやってきたことは間違いではなかった。次は筒香さんの前、横浜スタジアムで打ちたい」と夢の続きを思い描く。