想像力の欠如、無気力さ、無防備・・・、これらは幸先よく先制ゴールを決めたにもかかわらず、バイエルン・ミュンヘンが開始30分すぎから露呈してしまった、戦いぶりだ。ちょうど1週間前に行われたFCシャルケ04戦では6−0と大勝をおさめ、トーマス・ミュラーが高らかに自分たちの力を誇示していたものの、それはいまや昔の話。ブンデスリーガ最終節を前に自力優勝の可能性を失おうとしており、ひいてはナーゲルスマン監督とトゥヘル監督の交代劇が今季に関してはまったく功を奏さない結果になろうとしている。

 試合後サリハミジッチSDは「このチームのことを信頼しているし、十分な強さがあると思う」と強調。だが実際にはこのチームの将来性はみえるのだろうか?今回のライプツィヒ戦に限らずバイエルンでは、チームを牽引するリーダー、物事がうまくいかないときに切り開く存在が欠如しており、特に今シーズンは不用意な失点から後手に回る展開が多く見受けられているところ。バイエルンのクオリテイの象徴は、いまも昔もレヴァンドフスキ、ミュラー、ティアゴ、アラバ、ボアテング、ノイアーらのままであり、キミヒやゴレツカ、サネ、ニャブリらは代表シーンも含めて凡庸さが際立つ。むしろ前任のスター無くしてバイエルンは救われない状況だ。

 もはやただビッグネームをかきあつめるだけで、素晴らしいチームを構築するようなことなどできない。試合終了後のウリ・ヘーネス元会長の表情をみるだけでも、今シーズンの終了後にバイエルンでは多くの変革が求められていることは明白だ。それは上層部のレベルからはじまるものであり、仮にバイエルンがブンデスリーガ11連覇を達成しようとしまいと、変わることはないだろう。