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 現在は大規模なアジアツアーを実施中のMLS、インテル・マイアミ。そこにはルイス・スアレス、セルヒオ・ブスケツ、ジョルディ・アルバのような名のある選手たちが揃っているとはいえ、ファンのお目当ては何といってもやはり、リオネル・メッシという事になるだろう。サッカーというものがチームスポーツであるという事実は、疑惑のFIFA年間最優秀選手賞の選考からみてとれるように、しばしば崇拝化によって忘れさられがちではある。

 実際に香港にて行われたテストマッチでも、インテル・マイアミが4−1と快勝劇を演じてみせたにも関わらず、多くのファンにとっては失意の舞台に。残り10分となってメッシが出場しない状況で、スタジアムの観客たちは失意から怒りへと変わり、香港政府も介入するまでに事態は発展。観光局の楊潤雄(ケビン・ヨン)局長は、安全と健康上の懸念がない限り、メッシは少なくとも45分間プレーするという契約上の保証があったことを明かした。

 ただそもそもMLSの開幕戦ソルトレイク・シティ戦に向けて、インテル・マイアミが準備段階にあることは忘れてはいけないはずだろう。MLSにおけるリーグ戦は決してレクリエーションなどではなく真剣勝負の場であり、タイトル獲得を目指して戦う場なのである。ユリアン・グレッセルは「あくまでメッシは体調面の問題で欠場しており、クラブは準備段階においてリスクを負いたくはなかったのだ。にも関わらず、ブーイングを浴びせられてしまうのは残念なことだと思う」とキッカーに対してコメント。

  また東京にて行われた記者会見の場では、メッシ自身が「残念なことだけど、サッカーの試合ならばいかなる試合であっても、常に何かが起こってしまうリスクが伴うもの」と述べており、以前から鼠蹊部に問題を感じており、検査の結果で腫れが確認されたことも明かしている。「僕は常にプレーしたいし、その場にいたいと思っているから、だから遠くにも遠征して、みんなと僕たちが会えるこの機会では特に、残念に思うよ。」

 ただメッシが「2日前に比べて、だいぶ気分は良くなっている。ただ今のところは、まだ何とも言えないけどね」と出場の可能性をほのめかしていたように、実際に水曜日に行われたヴィッセル神戸との試合では、後半途中から出場。キレのあるドリブルやゴールに迫るなど見せ場も作っており、最終的にはこの試合ではインテル・マイアミは3−4と敗戦を喫した。