愛車が盗まれてしまったら、どうしたらよいのでしょうか?それとも、盗難を未然に防ぐためには、どのような対策を取るのが良いのでしょうか。

車両盗難の被害に遭わないためには

 クルマは家の次に高い買い物と言われますが、愛車が万が一に盗難被害にあったらどうすればいいのでしょうか。

 日本損害保険協会のデータによると、2022年に車両本体盗難事故で保険金を支払った件数は2656件にのぼります。

 ピーク時期に比べると減っているものの、依然として千葉県や愛知県、茨城県、大阪府、埼玉県など特定地域で多発しています。
 
 さらに、クルマ本体だけでなく、カーナビやナンバープレートなどが盗まれる事件も発生しています。

 こうした事故の状況を分析してみると、4台の盗難車両のうち、なんと3台はキーを外している状態で被害にあっていました。

 最近では、電子キーを狙った複数人での犯行も報告されており、犯罪者がクルマの所有者に近づいて電子キーの電波を拾い、クルマの近くで待ち構えている仲間に転送して解錠するというものです。

 では、愛車を盗難から守るために、事前にどのような対策を取るのが良いのでしょうか。

 首都圏にある国産系の販売店担当者は、以下のように話します。

「基本的にはハンドルロックやブレーキロックなど、防犯対策グッズを使うのが大前提です。

 また最近のクルマの盗難を防止するためには、電子キーの電波を遮断することが対策のひとつです。

 電子キーを保管する際、キーケースに入れたり、金属製の箱にしまったりすることによって、電子キーから発する電波を遮断することができます」

 また盗難事故の約4割は住宅の駐車場で起きているため、自宅に停めていても注意は必要です。その場合は、人の動きで照明がつくセンサーライトをつけることも対策になります。

 では、もしも愛車が盗まれたら、どのように対処するべきなのでしょうか。

 とある警察関係者は、愛車が盗難されてしまった際の対処法について、以下のように話します。

「愛車が盗難されてしまったことに気付いた際には、まず警察に盗難届を提出してください。

 クルマにはナンバープレートやカーナビなど、さまざまな個人情報が潜んでいるため、『盗まれた』と感じたらすぐに相談してください」

 このように、まずは警察に行って盗難届を出すことが何よりも大切です。

もしも盗まれてしまったらどうすべき? 盗難届を出す以外でするべきことは?

 早く報告すれば、クルマが見つかる可能性は高くなります。

 また、盗まれたクルマやナンバープレートが犯罪に使われるおそれもあるため、盗難が確認できたらすぐに届け出ることが大切です。

 盗難届を出す場所は、盗難があった場所を管轄する警察署か最寄りの交番です。提出する際には、印鑑と本人確認書類を必ず持参してください。

 車体番号や型番なども必要になるため、車検証など自動車の登録内容がわかる書類も用意しておくのが良いかもしれません。

 警察では、盗まれた日時や状況など詳細に伝えるため、可能な限り答えられるように情報を整理しておくと万全です。

 さらに、クルマの使用を一時的に中止する、一時抹消登録の手続きも行う必要があり、盗まれたクルマを公道で走らせることができなくなります。

 また、一時抹消登録の期間中は自動車税の課税対象から外れるため、税金を支払う必要がなくなります。

 一時抹消登録は、自分の住所を管轄する運輸支局または自動車検査登録事務所で申請します。軽自動車については軽自動車検査協会へ申請するため、事務所や支所、分室は協会へ問い合わせる必要があります。

 手続きに必要なものは、クルマ所有者の実印と印鑑登録証明書、350円の申請手数料です。

 車検証やナンバープレートを返納する必要がありますが、盗難により返納できない場合は理由書を提出。理由書には、警察で盗難届を提出した際にもらう受理番号を記入するので用意しておきます。

 盗難届と一時抹消登録の申請が終わったら、任意保険へ加入している場合は保険会社へ連絡する必要があります。

 また、駐車場を借りている場合も同様に不動産会社にクルマが盗難に遭ったことを伝え、解約や一時利用停止の措置を取ることが必要です。