トヨタの16代目クラウンシリーズの4車種目として登場する新型「クラウンエステート」。この名は17年ぶりの復活となりますが、その特徴とはどのようなものなのでしょうか。

まさに「車中泊SUV」 新型「クラウンエステート」はどんなクルマ?

 2024年央以降の発売が予定されているトヨタ新型「クラウン エステート」ですが、かねてからその巨大な空間で「車中泊が出来るのではないか」と言われています。
 
 果たして車中泊するにはどのような工夫が必要なのでしょうか。

 トヨタは2022年9月に16代目となるクラウンシリーズを発表し、大きな注目を集めました。

 最初に販売された「クラウンクロスオーバー」を皮切りに、「クラウンスポーツ」「クラウンセダン」が発売され、残るは「クラウンエステート」となっています。

 クラウン エステートは、1999年に登場した11代目クラウンにラインナップされていたステーションワゴンにもつけられていたモデルネームです。

 当時のクラウンエステートは、2003年に12代目へフルモデルチェンジするなか、販売が継続され、2007年まで生産されていた人気モデルでもありました。

 そんな約17年ぶりの車名復活もあり、新型クラウン エステートにも大きな期待が寄せられています。

 一方で、先代クラウンエステートとは異なり、新型クラウンエステートは大型SUVとして生まれ変わります。

 ボディサイズ(開発目標値)は全長4930mm×全幅1880mm×全高1620mm、ホイールベースは2850mmとされ、日本国内で販売されるSUVのなかでも、ボディサイズが大きいことが特徴の一つです。

 パワートレインは、HEV(ハイブリッド)とPHEV(プラグインハイブリッド)の2タイプで、駆動方式はどちらも4WDを採用しています。

 トヨタは新型クラウンエステートについて、「ワゴンとSUVが融合したモデルであり、両方の良い点が掛け合わされている」と説明しているだけあり、荷室空間が広大であることもエステートの魅力です。

 後席を前倒しした状態ではフルフラットの広大な荷室を確保できることから、まさにSUVの力強さとエステートの居住性を併せ持つクルマと言えるでしょう。

どんな感じで車中泊はできる? クラウンエステートの特徴は?

 そんな期待感の高いクラウン エステートですが、近年注目を集めている車中泊などで使用することは可能なのでしょうか。

 新型クラウンエステートは北米で「クラウンシグニア」という車名で展開されますが、そこでは荷室長が6.5フィート(約198cm)と記載されており、おそらく日本仕様も同様の空間を備えていると見られます。

 またこれまで何度か行われている実車展示では後席を倒した際に後席足元スペーシアを拡張ボードで補うことが可能となっていることが確認出来ます。

 こうしたことを踏まえると様々な荷物を詰めることにくわえて車中泊にも適したモデルと言えそうです。

 そんな新型クラウンエステートですが、トヨタ販売店にはどのような声が届いているのでしょうか。

「一部のお客様からは『車中泊できるかな?』という質問を受けます。

 実際に荷室のスペースなどは後部座席を倒すことで、広く取ることができるので、大人が横になる分には十分と感じます。

 そうしたことをお客様にお伝えすることで楽しみにされている人も多くいる印象です」

 また、別のトヨタ販売店担当者は、次のように話します。

「車両としては車中泊を想定して設計されているモデルというよりかは、ラグジュアリーSUVとなっております。

 それでもトランクスペースが180cm近くはあるので、よほど大柄な人でなければ、足を伸ばして横になれるスペースはございます」

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 また新たなクラウンシリーズとしては最大級のボディは後席空間も重要視されているようです。

 リアセンターコンソール背面には、エアコン送風口、USB-Cソケット、1500W(AC100V)ソケットを用意。

 さらにドアパネルにはリアシートヒーターのスイッチも装備。

 その他、クラウンセダンと同様に後席乗員が快適に過ごせるソフトな乗り心地を実現するドライブモード「リアコンフォート」も用意されているようです。