ゴールデンウィーク中はロードサービスの出動が増加します。なかでも「燃料切れ」は場所により違反となるようです。

ゴールデンウィーク中はロードサービスの出動が増加!

 行楽シーズンを迎え、クルマでのお出かけが増えると、事故や故障によるロードサービスの出動も増加する傾向にあります。
 
 では、一体どのような出動理由が多いのでしょうか。その中でも「燃料切れ」は場所により違反となるようです。

 春に入り、外出しやすい気候が続いています。特に4月末から5月上旬にかけてはゴールデンウィークであるため、クルマで遠方に旅行するという人もいるでしょう。

 しかし、ゴールデンウィークをはじめ連休時期は交通事故やクルマの故障などによるロードサービスの出動が急増する時期でもあるため、注意が必要です。

 JAFのウェブサイト「よくあるロードサービス出動理由」によると、2022年度の全国のロードサービス実施件数は、四輪と二輪を合わせて219万5442件であり、1日当たりに換算すると6000件以上も出動していることになります。

 さらに、2022年度の「シーズン別の出動件数・出動理由(四輪・二輪合計)」によると、ゴールデンウィーク中の出動理由のトップ5は以下の通りでした。

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【一般道路】
 1位 過放電バッテリー 2万3460件
 2位 タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足 1万2014件
 3位 破損/劣化バッテリー 3800件
 4位 キー閉じ込み 3633件
 5位 落輪・落込 3630件

【高速道路】
 1位 タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足 891件
 2位 燃料切れ 276件
 3位 事故 152件
 4位 過放電バッテリー 129件
 5位 発電機/充電回路 68件
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 一般道路の1位と高速道路の4位にランクインしている「過放電バッテリー」は、バッテリー内の電力が放電され尽くす状態をいい、クルマのバッテリー上がりの原因になります。

 普段あまり使用しないクルマを運転したときや、エンジン停止中に室内灯・ハザードランプを点灯したときなどに放電が起きるため、定期的にクルマを走らせたりバッテリーの状態を確認したりすることが大切です。

 またJAFが過去におこなったテストでは、タイヤの空気圧が不足していると走行中にタイヤが発熱し、バーストする可能性があることも明らかになっています。

 タイヤの適正空気圧は車種によって異なるものの、運転席ドアの開口部やクルマの取扱説明書などに記載されているため、長距離運転の前にはガソリンスタンドなどで空気圧チェックをおこなうと良いでしょう。

給油ランプ点灯したら、そこから何km走れるの?

 そして高速道路走行特有のトラブルとしては「燃料切れ」、いわゆるガス欠が挙げられます。

 高速道路は一般道路に比べてガソリンスタンドが少なく、また渋滞・事故に巻き込まれてガソリンを消費してしまうケースもあり、ガス欠が発生しやすい傾向にあるといえるでしょう。

 あまり知られていませんが、高速道路でのガス欠は道路交通法第75条の10に規定する「高速自動車国道等運転者遵守事項違反」という交通違反に当たる可能性があるため、気をつけなければいけません。

 同条では、高速道路や自動車専用道路を走行する際は燃料や冷却水、エンジンオイルなどの状態を点検しておき、燃料などの不足が原因で運転できなくなることを防止する措置をドライバーに義務付けています。

 実際のところ、この違反で検挙される可能性は低いとみられますが、青切符を切られた場合は違反点数2点、普通車で9000円の反則金が科されます。

 また罰則として3か月以下の懲役または5万円以下の罰金(過失の場合は10万円以下の罰金)が定められてます。

 加えて、高速道路でガス欠を起こすと後続車両に追突されるおそれがあるため、出発前にガソリン残量を確認しておきましょう。

 なお給油ランプ(フューエルランプ)が点灯してから走行出来る距離は当然ながらクルマによって異なります。

 燃費が良くないクルマであれば数十キロ、低燃費なクルマであれば100キロ以上と言われますが、一般的なクルマであれば約50キロは走れるように設計されていることが多いようです。

 そのほか、クルマの旅行においては慣れない道を走行することにより道路を踏み外してしまう「落輪」や、普段クルマを運転しないドライバーが車内にキーを残したまま外に出てドアがロックされてしまう「キー閉じ込み」などが発生します。

 同乗者がいる場合は、それらのトラブルが起きないようドライバーを適宜サポートすることも重要といえるでしょう。

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 ロードサービスの出動理由は車両関係部品の故障・破損などによるものが多くを占めています。

 事前に点検していれば防げるケースもあるため、定期的にタイヤの空気圧、エンジンオイル、バッテリーの状態などをチェックしておきましょう。