長いトンネルの内部には、途中に「非常口」と書かれた緑色の表示を目にします。この非常口の中はどうなっていて、一体どこに繋がっているのでしょうか。

トンネルの「非常口」はどこにつながっている?利用方法は?

 クルマで長いトンネルを走行していると、途中に「非常口」が設けられているのを目にします。
 
「緑色の非常口サイン」の奥に入口があることは確認できますが、その先は通常は使うことのない施設。
 
 では、この非常口の中はどのようになっていて、一体どこに繋がっているのでしょうか。

 このトンネル非常口は、事故や火災など緊急事態が起こった際の避難用通路として設置され、標準では300m間隔、また距離の長いトンネル(750m以上)では750m間隔で設置されています。

 そして避難用通路は「避難連絡坑」と「避難坑」の2種類に分けられ、避難連絡坑は並走する反対側車線のトンネルにつながり、緊急事態が起こった際に避難できる通路。

 一方、避難坑は脱出用に掘ったトンネルにつながっている通路です。

 例えば、開通後は使用されなくなった地質調査用のトンネルや、水抜き用のトンネルが、避難坑として脱出用に使われています。

 これら避難連絡坑と避難坑の内部は、トンネルが設置されている場所や形状によって異なり、脱出用トンネルを出口まで歩く場合もあれば、非常階段を登って野外に避難するタイプなど様々。

 そのほか、東京湾アクアラインや首都高速神奈川7号線の横浜北トンネルなどのように、滑り台でトンネル下の避難通路に移動できる「すべり台式非常口」が設置されている場所もあります。

 では、トンネルの非常口は一体どのように使用するのでしょうか。

 もしトンネル内で火災など緊急事態が起こった場合、道路の中央を開けるようクルマを左側に寄せて停め、安全を確認しながら車外に出ます。その際は、非常口や消火設備の前には停車しないよう注意しましょう。

 次に、周囲の安全を確認しつつ、誘導表示板、また回転灯を目指して最寄りの非常口へ避難します。

 非常口の扉がスライド式なら、横にスライドさせて開けます。また「すべり台式非常口」は、非常口の両サイドにある「開口ボタン」を押せばすべり台の入り口が開く仕組みです。

 レバーが設置されている場合は、レバーを引いて非常口を開けましょう。

 避難通路の内部は、矢印で避難ルートが示されています。誤って別の方向へ進むと、正しい出口ではなく再びトンネル内に出てしまうこともありますので、必ず案内に従って進んでください。

 トンネル非常口は普段は使うことがないため、どんな施設なのか、またどのように利用すればいいのか知らない人も多いでしょう。

 万が一に備えてこの機会に覚えておきましょう。