茨城県南部で整備中の国道6号「牛久土浦バイパス」が、全通に向けてスピードアップしそうです。完成すればどう便利になるのでしょうか。また、事業はどこまで進んでいるのでしょうか。良によってクルマの流れはどのように変わったのでしょうか。

直進・右折ともに通過時間が短縮

 国土交通省 常総国道事務所は2024年5月9日、茨城県南部で整備中の国道6号「牛久土浦バイパス」について、土地収用法の適用に向けた手続きに入る見込みであると発表しました。
 
 手続きが進めば、バイパス整備に必要な用地取得がスピードアップし、全通に向けて弾みとなります。この道路が完成すれば、どう便利になるのでしょうか。また、事業はどこまで進んでいるのでしょうか。

 牛久土浦バイパスは、牛久市南端から現道の西側へルートを取り、圏央道「つくば牛久IC」を経由して、土浦バイパスへ直結する計画です。

 土浦バイパスのように片側2車線で、信号無く立体交差でスムーズな移動が可能になります。

 現道の国道6号はとにかく信号が多く、主要渋滞箇所も7か所抱えており、朝夕ラッシュを中心に混雑が激しくなっています。ここに信号がほぼ無いバイパスが完成すれば、所要時間は34分から15分に短縮されます。

 南側は藤代バイパス・取手バイパスを経て千葉県に入り、都内へのアクセスが確保されています。そのため地元茨城県を中心に、早期開通に対する希望は高まっていました。

 気になる進捗ですが、総延長15.3kmのうち、南端の1.3kmと真ん中の3.9kmだけが、暫定2車線で開通済み。ポツンと離れ小島のような存在で、今のところあまり役目は果たせておらず、全通してはじめてようやく効果を発揮することになります。

 今回、土地収用法の適用を目指すのは、暫定2車線部で開通済みのつくば牛久IC周辺(3.9km)と、その前後の未開通部(計4.6km)です。

 用地取得率はそれぞれ約99%、約95%でほぼ完了し、工事も順次進められています。未開通部では橋脚がニョキニョキ姿を現していて、上り線の盛土はかなり完成に近づいています。しかし残る部分が「用地取得の目途が立たない状況」に陥っているとして、いよいよ土地収用法による取得をめざすこととなります。

 手続きとしては、土地収用法第16条に基づく「事業認定」を受ける必要があり、事業説明会、申請・公告・縦覧・告示を経て、収用委員会の採決を受けるというプロセスになります。土地収用法による収容は、日本国憲法第29条3項の「私有財産は、正当な補償の下に、 これを公共のために用いることができる」という規定に基づいています。

 その第一歩となる事業説明会が、いよいよ5月23日から2日間で実施される予定です。