クルマを長期間にわたって洗車しなかった場合、当然のように汚れが増していきますが、ではボディにはどのような影響がでるのでしょうか。

「洗車」を怠けるとクルマが“錆びる”ことも!?

 せっかくクルマを洗車したとしても、雨が降れば再び汚れてしまうため、雨が振りやすい時期は洗車をためらう人も多いでしょう。
 
 しかし、ずっと洗わないままでいればクルマはどんどん汚れる一方です。
 
 もしも長期間にわたって洗車をしない場合、ボディには一体どのような影響がでるのでしょうか。

 ずっと洗車を怠ったクルマに起こり得る悪影響について、カーコーティング専門店のスタッフに聞いたところ、以下の回答がありました。

「もし汚れた状態でクルマを長期間放置していると、水垢などの汚れが硬く固着してしまいます。

 この固着した水垢は『イオンデポジット』と呼ばれるもので、ボディを包むクリア層や塗装面を浸食してしまうため、塗装の劣化の原因になります。

 イオンデポジットが塗装面を浸食すると、表面が陥没して『ウォータースポット』が発生。これをさらに放置していると、ボディの傷やサビを誘発する原因になるのです。

 そして一度サビが生じると、内部にどんどん浸食が進んでその範囲を広げます。

 その結果、一見あまり走らせていないキレイなクルマに見えたとしても、気づけば中身はボロボロ……ということが起こり得ます」(コーティング店のスタッフ)

 このイオンデポジットは強固なため、一般的な洗車では落とすことができず、専用の除去剤を使用しないと簡単には除去できません。

 そしてボディ表面の汚れがウォータースポットの状態にまで進むと、もはや除去剤でも落とすのは難しく、ボディ表面の研磨作業が必要になります。

 一方で、ボディコーティングを施しているクルマの場合は、未施工のクルマと比較して汚れが付着しにくくなっているためボディへの影響は少なくなりますが、それでも洗車しない状態が長期間続くようであればイオンデポジットが発生してしまい、やがてコーティング層を浸食し塗装を痛め始めます。

 つまりいずれにしても、イオンデポジットやウォータースポットが一度固着してしまえば、除去するのには手間がかかるのです。

 やはり雨や花粉、黄砂などで汚れやすい季節であったとしても、こまめに洗車してイオンデポジットの発生を防ぐことが、クルマの状態をキレイに保つ秘訣になります。

 ちなみに、先述のコーティング店のスタッフによると、洗車頻度は1ヶ月に1回が目安とのこと。

 ただしボディコーティングを施している場合は、頻繁に洗車するとせっかくのコーティング層が剥がれてしまうため、短い期間に何度も洗車機を利用するのは避けた方が良いそうです。

 また、なるべく洗車機による傷をつけないように手洗い洗車することもキレイに維持するひとつの方法とのこと。

 いずれにしても、イオンデポジットやウォータースポットを防ぎボディの劣化を抑えるために、愛車をしばらく洗車していないという人は、時間を作って早めに洗車した方が良さそうです。