高知と愛媛の共通課題について話し合う会議が高知で開かれ、両県の知事が南海トラフ地震対策や人口減少対策などについて意見を交わしました。

この会議は隣り合う愛媛と高知の連携を深めようと毎年行われています。今回は高知県が会場で、会議に先立ち、濵田知事と愛媛の中村時広(なかむら・ときひろ)知事は香南市にある技研製作所の圧入技術の情報発信基地「REDHILL1967」を訪れました。技研製作所が開発した、災害現場や狭い場所でも騒音や振動を抑えて工事ができるサイレントパイラーを視察し、「西日本豪雨で氾濫した肱川周辺の整備工事でも使われている」と説明を受けました。

その後、会場を南国市に移して、南海トラフ地震対策や人口減少対策、四国の鉄道ネットワークなど5つのテーマについて議論を交わしました。この中で濵田知事は、防災対策について、能登半島地震の状況や先月17日に豊後水道で発生した地震も踏まえ次のように述べました。

(高知県 濵田省司 知事)
「あれだけの規模の災害になりますと、全国的に見てDMATなどの災害医療に必要な人材の養成が圧倒的にまだまだ足りていない。財政面の支援を含めてこの災害医療に必要な人材の養成確保を国に対して強く訴えていかなければいけない」

また、中村知事は人口減少対策について、若い女性が流出するの原因の一つとして「女性のキャリアの保障や子育て支援に理解のある職場が見つからない」ことを挙げ、愛媛県が環境の改善に向けて民間企業と協力し働きやすい職場作りにチャレンジしていることを紹介しました。

(愛媛県 中村時広 知事)
「これをやれば確実に(人口が)回復できるというのがないがゆえに、やれることは全部やるという姿勢で臨むことが大事」

このほか四国内の鉄道の維持や「四国8の字ネットワーク」の早期整備などについて国に求めていくことを確認しました。次回は来年、愛媛県で開催されます。