財務省が11日発表した22年度の経常収支は、資源価格の高騰と円安を背景に黒字額が9兆2256億円と前年度の半分以下に落ち込んだ。足元では原油高が和らぎ、訪日客も戻りつつあるが、海外経済の減速で輸出が停滞する恐れがあり、23年度も収支の大幅改善は見込めない状況だ。

 22年度の黒字額は前年度比で54.2%減少。輸入額が膨らんだためで、ピークの07年度(24兆3376億円)からは6割を超える大幅減となった。

 先行きは収支のプラス要因とマイナス要因が交錯する。石油連盟によると、3月の原油平均価格は1キロリットル当たり7万2423円。22年7月の高値からは3割近く下落した。