生理痛や月経前症候群(PMS)の症状を軽くする「低用量ピル」の代金を、福利厚生として負担する動きが企業の間で広がっている。仕事に影響が出るほどの不調を感じる女性に寄り添い、働きやすい環境を整える狙いがある。仕事の合間や休みにオンライン診療を受ければ自宅に配送してくれるサービスもあり、手軽に利用できると好評だ。

 「焼肉きんぐ」などの飲食店を展開する「物語コーポレーション」(愛知県豊橋市)は昨年9月、正社員を対象に低用量ピル処方にかかる料金の全額補助を始めた。今年2月末時点で、対象となる40歳以下の女性社員の1割強に当たる34人が利用している。

 福島県の店舗で働く木村あすかさん(24)は制度導入前まで、青森県の実家近くにあるかかりつけの婦人科に片道4時間かけて通っていたといい「時間的にも金銭的にもかなり楽になった。非常にありがたい」と話す。

 担当者は「(ピルを服用して)生理を止めてまで働け、というメッセージにならないよう気をつけた」と強調した。