【ワシントン共同】バイデン米大統領の私邸などで機密文書が見つかった事件の捜査報告書で、バイデン氏の記憶力の衰えを指摘したハー元特別検察官が12日、下院司法委員会の公聴会に出席した。記憶力の評価は捜査に必要で「正確かつ公平」だと証言した。訴追を見送った判断に関して「潔白だと証明されたわけではない」と述べた。

 CNNテレビが報じたバイデン氏の供述調書によると、ハー氏の取り調べに対し、大統領選に出馬した時期や副大統領を退任した時期、長男ボーさんが死亡した時期などをすぐに思い出せなかった。ハー氏は2月8日に公表した報告書で、訴追しても陪審員が「記憶力の悪い老人」と見なし、有罪にしないと判断したと説明していた。

 共和党議員らは公聴会で、機密文書を私邸に持ち出したトランプ前大統領だけが起訴されたのは「二重基準だ」と指摘。民主党議員らはバイデン氏の記憶力の問題を指摘したのは政治的だと不満を示し、ハー氏は双方から批判を浴びた。